高配当株投資で豊かな老後生活を

目標!月10万円の配当収入。不労所得でバラ色のリタイアを目指すアラカンの日記

高配当で希少な上場生保会社  第一生命ホールディングスグループ(保有銘柄分析39)  

 

 

120年近い歴史を誇り、大手生保では数少ない株式会社の一つ

ラカン保有している銘柄分析の第39回は、第一生命ホールディングスグループ(8750)です。

 

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第一生命ホールディングス株式会社は、2016年(平成28年)10月1日に持株会社体制へ移行し、第一生命保険株式会社から商号変更しました。総資産で、株式会社かんぽ生命保険日本郵政グループ)、日本生命保険相互会社に次ぐ業界3位の企業です。

 

その歴史は古く、1902年(明治35年)、日本初の相互会社形式による生命保険会社として設立してます。日本国内で初の相互会社であるという意味を込めて、社名に「第一」という文字を戴いたそうです。

 

生命保険会社は、日本生命を筆頭に、この相互会社形式の組織形態が多いのですが、第一生命は2010年(平成22年)4月1日、株式会社に組織変更したうえ、東証1部に上場してます。株式会社への転換にあたって、保険契約者は保険金支払実績に応じて、株式受取りか相当分の現金支給かを選択する措置を講じました。

 

ラカンも保険加入者なので、株式会社展開時に現金支給が

実はアラカンも第一生命の終身保険に少額ですが入っていたので、現金支給でいくばくかの金額をいただいた記憶があります

株式会社への転換にあたって多くの保険契約者が当社株式を受け取ったため、その時点では株主数は日本最大でした。およそ1年後の2011年(平成23年)3月29日付けで、日経平均株価の構成銘柄に採用されています。

 

 

生保会社は、そもそも株式会社が非常に少なく、上場している会社も第一生命ホールディングス株式会社以外では、ライフネット生命保険株式会社(7157)、株式会社かんぽ生命保険(7181)、株式会社T&Dホールディングス(8795)の3社しかありません

  

上場株式会社として、機動的に他社との提携やM&Aも可能ですので、株式会社みずほフィナンシャルグループと全面的に業務提携しているほか、2000年(平成12年)8月に安田火災海上保険株式会社、同年9月にアメリカンファミリー、2007年7月に株式会社りそなホールディングスと業務提携してます。さらに、金融機関代理店向け商品の提供を目的に、業界ではじめて生保子会社・第一フロンティア生命株式会社を設立してます。

 

 

 

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同社HPより

 

会社概要(楽天証券より)

第一生命ホールディングスは、主に保険事業を行う。【事業内容】3つの事業セグメントで構成される。国内生命保険事業は、国内において、個人保険、個人年金保険、団体保険、団体年金保険及びその他の生命保険事業、損害保険事業、並びに有価証券の取得、不動産の取得及び金銭債権の取得等の生命保険業に付随する業務を行う。海外保険事業は、海外において、保険事業を行う。その他事業は、主に資産運用関連事業を行う。

 

 

20213月度の当期純利益は前年比プラス467.8%見込みだが…

第一生命ホールディングスの業績ですが、コロナ禍での業績ダウンもさることながら、2019年度、20年度ともに当期純利益は前年マイナスでした。経常収益も横ばい安定といった具合です。肝心の2021年度第1四半期の決算は、経常収益が前年同期比マイナス2.1%の1兆7912億円、四半期純利益はマイナス21.1%の408億円でした。

ただ通期予想では経常収益マイナス8.8%の6兆4870億円、当期純利益はプラス467.3%の1840億円と悪くない決算数字を見込んでいます。前年度に一過性の損失計上をしたことによる上昇のようです。

 

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以上、2021年3月期 第1四半期の決算短信(同社HPより)


会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【最終増益】保険料等収入は海外横ばいだが、国内が新型コロナでの営業自粛痛打で落ち込む。運用環境悪化で利息配当収入も減る。海外子会社でコロナでの保険金支払額増。ただ、国内で第一フロンティア生命の前期一過性の損失が消え、純益は大幅増。

【ESG投資】独企業発行の世界初の廃プラスチック削減債購入(約74億円)。AIが保障プラン提示するシステムで特許出願。

 

 

安定的な配当方針を表明。ソルベンシー・マージン比率は900%超え

第一生命ホールディングスは、株主還元の方針を安定的な配当を基本としていて、グループ修正利益に対する総還元性向を40%を目処にすることを公表してます。配当は中間配当を行わず、期末配当の年1回ですが、2021年度の配当は2020年度と同額の年間62円を予定してます。

 

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以上、同社HPより

 

なお、第一生命ホールディングスも傘下の生損保業の事業健全性を示す指標としてソルベンシー・マージン(Solvency Margin)比率があります。これは、予測を大幅に超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」のことで、ここでいうリスクとは、大災害の発生で保険金支払いが急増したり、株価暴落・為替相場の激変などのことを指します。

 

例えば、ソルベンシー・マージン比率が500%であれば、「全契約者すべての支払い保険金の5倍の資金が準備されている」ということになります。ソルべンシー・マージン比率が200%未満100%以上になると、金融庁から行政指導が入ります。200%を超えていれば安全だといわれています。

 

第一生命ホールディングスの2021年度第1四半期の連結ソルベンシー・マージン比率は951.9%と健全なレベルにあります。前期の比率が984.4%だったので、若干のマイナスではあります。

 

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同社HPより

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以上、同社HPより



また、生保業界はセグメント構成の中に「その他」で示されている資産運用関連事業も

重要な事業の一つです2020年3月度の実績では売上構成比は2.4%にすぎないのですが、

利益構成比は32%と相当の比重になります。

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第一生命ホールディングスのセグメント業績(マネックス証券銘柄スカウターより)

第一生命保険は2020年度内に外国株式での運用を環境と社会貢献、企業統治(ガバナンス)を重視するESG投資に全面的に切り替えるというニュースが話題を呼びました。

約4千億円の運用の基準にESGに着目した株式指数を採用し、指数の採用銘柄に投資していくとのことです。

 

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同社HPより

 

そんな第一生命ホールディングスを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

第一生命ホールディングスの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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第一生命ホールディングスの経常収益(IRBANKより)

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第一生命ホールディングスの経常利益(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの当期純利益(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスのEPS(IR BANKより)



経常収益は2021年3月期の予測値は6兆4870億円と、前年比マイナス8.81%を見込んでいます。一方、経常利益は前年プラス63.93%の3580億円、当期純利益は前年467.32%プラスの1840億円を見込んでます。当期純利益は前年度が第一フロンティア生命の特損処理で前前年比マイナス85.59%ダウンだったので、その影響が大きいかと思われます。EPSも2020年3月度28.53円から470%プラスの162.9円を見込んでいます。評価〇

 

2、営業キャッシュフロー

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第一生命ホールディングスの営業キャッシュフロー(IR BANKより)


営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。ただし、2020年3月期は、上記の事情で半減してはいます。評価〇

 

3、配当性向

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第一生命ホールディングスの配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、2020年3月期は204.86%と異常値を示しましたが、その前は10~20%

前後でした。2021年3月期の配当性向がどのくらいになるか関心大です。出来れば40%

前後もアベレージしてくれると嬉しいところです。評価△

 

4、ROEとROA

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第一生命ホールディングスのROE(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスのROA(IR BANKより)


ROEは2021年3月予想値で4.58%、ROAは2021年3月予想値で0.3%.。保険業界は

総資産が大きくなりがちです。2020年度は60兆119億円と凄まじい数字となってます。

ただ、ROEもROAも2020年3月期よりは上昇している点は評価できます。

評価△

5、PERとPBR

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第一生命ホールディングスの株価指標(IR BANKより)


PERは9.5倍、PBRは0.43倍と割安な水準ですね。評価◎

 

6、自己資本比率

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第一生命ホールディングスの自己資本比率(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの貸借対照表マネックス証券銘柄スカウターより))

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第一生命ホールディングスの貸借対照表詳細(同社 HPより)



自己資本比率は2020年3月実績で6.3%と低数字です。ただ、ここ10年間ずっと一桁台

ですし、60兆円を超える大きな資産(保険加入者の前払い保険料が中心)があるので、

自社で自由に使える自己資本が小さくなるのは致し方ないと思われます。

会社の安全度を図る指標としては責任準備金を総資産で割った指標の方が適切かもしれません。ちなみに2020年3月の責任準備金等は30兆2962億円でしたので、総資産で割った数字は50.4%です。

評価〇

 

7、有利子負債倍率

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第一生命ホールディングスの有利子負債推移(マネックス証券銘柄スカウターより)

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第一生命ホールディングスの有利子負債推移倍率等(株探 より)


有利子負債倍率は0.28倍問題のない水準ですね。評価◎

8、利益剰余金÷総資産

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第一生命ホールディングスの総資産(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの利益剰余金(IR BANKより)

利益剰余金を総資産で割った数字は18.2%と低い数字です。ただ利益剰余金は1兆円を超えて積み上がってきてます。総資産額が大き過ぎることによる数値ですね。

評価△

 

最後に配当利回り

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第一生命ホールディングスの一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、2021年3月度は前年と同じ年間62円配当を見込んでますので、配当利回りは4.01%です。高配当銘柄ですね。

前年同額の年間62円の配当。配当利回りは4%超え

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づき第一生命ホールディングスを分析してみました。

第一生命ホールディングスは、個人的に馴染みの深い会社であると同時に、数少ない生保会社の上場企業ということで、セクター分散の意味からSBIネオモバイル証券定期買い付け銘柄として、ポートフォリオに組み込みました。

保険業界は、先に保険加入者から前払いで保険料を徴収しますので、総資産が莫大な数字になってしまいます。

よって、財務評価も、メーカーやサービス業のそれとは視点が異なってしまうのは致し方ないかと思われます。

業績も新型コロナの影響を受けて、保険料収入はパッとしないようですが、2021年度の当期純利益は前年度より大幅増になる見込みではあります。

保険会社の安全度を図るソルベンシー・マージン比率も、問題のない数値ですし、同業他社で比較に値する上場企業も少ないのですし、配当利回りも4%を超えていますので、ポートフォリオ分散という意味で組み込んで良い銘柄かなと考えてます。

 

 

ラカンとしては、現在はSBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄として一株づつ買いためているところですが、高配当銘柄ですので、株価の状況をみて単元化することもありかなと考えてます。

 

それでは、また。

 

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