現在、配当利回りは親会社より高く4%超え
アラカンが保有している銘柄分析の第26回は、伊藤忠エネクス(8133)です。
- 現在、配当利回りは親会社より高く4%超え
- エネルギー商社の枠に留まらず新規事業進出にも積極的
- 中期経営計画『Moving2020 翔ける』進行中にコロナが直撃
- 配当性向40%以上を標榜、株主還元意識が高い
- 伊藤忠エネクスの銘柄析をしてみます
- 増配ストップも、44円の配当は堅持
伊藤忠エネクスは伊藤忠商事が株式の52.1%を保有する伊藤忠グループ中核のエネルギー商社です。1961年に燃料商社として創業し、社会・生活インフラに必要な石油・ガスの供給によって、強固で安定したコア事業を構築し、エネルギー商社としては首位を走っています。
伊藤忠商事は知っていても、伊藤忠エネクスのことは良く知らない人も多いのではないでしょうか。アラカンは株チューバ―さんのおススメ株動画で、その存在を知りました。
エネルギー商社の枠に留まらず新規事業進出にも積極的
伊藤忠エネクスの経営理念は『社会とくらしのパートナー~エネルギーと共に・車と共に・家庭と共に~』です。石油製品やLPガスの販売に留まらず、電力小売り事業やカーディーラー等の新規事業にも積極的に取り組むアグレッシブな企業です。現在は大きく4つの事業セグメントとして、ホームライフ部門(LPガス販売、産業用ガス販売等)、カーライフ部門(自動車用エネルギー販売、自動車ディーラー等)、産業ビジネス部門(産業用エネルギー・資材販売等)、電力・ユーティリティ部門(発電、電力販売、熱供給事業等)を展開しています。
会社概要(楽天証券より)
伊藤忠エネクスグループは、ホームライフ事業等を行う。【事業内容】同社は4つの事業を運営する。ホームライフ事業は液化石油(LP)ガス、都市ガス(大分県中津市)、高圧ガス、電力、灯油、機器(燃焼、厨房、冷暖房、住宅設備等)、スマートエネルギー機器(太陽光発電システム、家庭用燃料電池エネファーム)、家庭用リチウムイオン蓄電システムであるエネパワボLの販売、リフォーム、ガス容器耐圧検査事業を行う。電力・ユーティリティ事業は電力(石炭火力、天然ガス火力、風力、水力、太陽光)、蒸気の販売、地域熱供給サービス、総合エネルギーサービス、電熱供給サービス、電力需給管理サービスの提供を行う。生活エネルギー・流通事業はガソリン、灯油、軽油、重油、液化天然ガス、石炭、高品位尿素水「AdBlue」、自動車用潤滑油、自動車・自動車用品の販売、車検・整備、レンタカーシステムの提供、海外事業の開発・推進を行う。産業エネルギー・流通事業は産業用エネルギー及び資材(ガソリン、灯油、軽油、重油)、アスファルト、船舶燃料油・潤滑油の販売、石油製品の輸出入及び国内需給調整取引、石油貯蔵施設等のロジスティクス機能の提供、スロップ・再生油の販売を行う。
中期経営計画『Moving2020 翔ける』進行中にコロナが直撃
伊藤忠エネクスは2019年度からの2ヵ年を対象とする中期経営計画『Moving2020 翔ける』を進めていて、計画初年度にあたる2019年度は、当期純利益が5期連続の過去最高益更新を達成し、前年度より2円増配の1株当たり44円の配当金となり、7期連続の増配となったのですが、予想だにしなかった新型コロナウイルスの影響で、計画を修正せざるをえなくなりました。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【後退】契約件数増加で家庭向け電力販売量が伸びる。発電所も前期の定修なくなり稼働率上昇。だが、自動車販売はコロナ影響による客数減が厳しい。LPガスは産業、業務用で需要弱く数量減少。営業減益。
【環境商材】軽油代替燃料のGTL燃料は環境性訴求し、建設機械向けなどに拡販を継続。電力小売り利幅よい家庭向け契約件数増へ注力。LPガスとのセット販売
配当性向40%以上を標榜、株主還元意識が高い
中期経営計画『Moving2020 翔ける』を掲げ、アグレッシブに事業拡大を図ってきた同社も、コロナ禍では計画を修正することなりました。当期純利益も計画値から15億円のダウンを見込んでます。ただ配当性向は40%以上を配当方針を掲げ、前年同額44円を維持することを発表してます。株主還元意識が高い企業ですね。
そんな伊藤忠エネクスを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
伊藤忠エネクスの銘柄析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2021年3月期は前年より減収見込みです。売上高20.88%、営業利益は16.91%マイナスを見込んでいます。業績は結構凸凹がある会社ですね。新規事業に積極的に投資してますので、その影響もあるかと思われます。営業利益率は2.25%と高くありません。商社ビジネスは営業利益率が低めな傾向にあります。親会社・伊藤忠商事も同期営業利益率見込みは3.64%です。EPSも前年までは右肩トレンドにありましたが、2021年3月期は一休止の見込みです。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、社の方針もあって2020年3月は40.3%でした。近年は30~40%台を堅持してます。評価◎
4、ROEとROA
ROEは2021年3月予測値が8.48%、ROAは2021年3月予測値が2.88%とターゲットラインには届かず。評価△
5、PERとPBR
PERは9.63倍、PBRは0.82倍と割安な水準です。評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は33.1%とターゲットラインである40%に届かず。評価△
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0.76倍と心配のない水準ですね。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は23.9%とターゲットラインに届かず。評価△
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2021年3月に年間44円の配当を予定してます。配当利回りは4.69%を示しています。高配当銘柄ですね。7年連続増配ストップで横ばいの配当となりましたが、営業減益の中、社の方針として配当性向40%以上を掲げているので、コロナ禍が終息すれば、再び増配基調となる可能性もあると思います。
増配ストップも、44円の配当は堅持
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、伊藤忠エネクスを分析してみました。
事業拡大に挑戦し続けるアグレッシブな経営姿勢に共感を抱きました。株主還元意識が高いところも高配当株投資家としては好感を抱きます。コロナ禍で営業減益にあり、商社ビジネスモデルの特徴として、自己資本比率が低めだったりと不安な要素もありますが、高配当銘柄としての魅力に溢れた企業だとも感じています。
アラカンとしては、現在、SBIネオモバイル証券で1株定期買い付け銘柄の一つではありますので、コツコツ単元化を目指していこうと考えてます。
それでは、また。
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