商社子会社のネットワークを生かし、ITベンダーとして成長
アラカンが保有している銘柄分析の第20回は、兼松エレクトロニクス(8096)です。
- 商社子会社のネットワークを生かし、ITベンダーとして成長
- 経営ビジョンは「信頼と価値を創造するIT総合サービス会社」
- 2021年度第1四半期は増収増益だが、コロナ禍で微増レベル
- 両学長のポートフォリオにも選ばれていた高配当銘柄
- 兼松エレクトロニクス の銘柄分析をしてみます
- 配当 年135円を維持できるか、業績伸長しだい
兼松エレクトロニクスは、IT、システムコンサルティング・ソフトウェア販売などを行っている兼松グループのシステムシンテグレータです。創業以来、親会社の兼松江商(現・兼松)の子会社として主にIBMユーザー向けに互換周辺機器を取り扱って来た歴史があります。現在でも兼松が59・8%の株式を保有する筆頭株主です。
商社機能を活かしたマルチベンダーとして、インフラ基盤の仮想化環境構築、デスクトップ仮想化(VDI)構築およびセキュリティ関連ソリューション、保守、運用を手掛け、中国・タイにも現地法人を設立し、海外ビジネスの展開にも力を入れています。
会社概要(楽天証券より)
兼松エレクトロニクスグループは、主に電子情報処理関連機器の国内取引業務及びソフトウェア・ハードウェアの開発・保守業務を行う。【事業内容】同社は、2つの事業セグメントを通じて事業を展開する。システム事業は、主に電子情報処理関連機器の国内取引、総合情報システムの提案、システムインテグレーション、ネットワークインテグレーション、ソフトウェアの開発等を行う。サービス・サポート事業は、主に運用管理サービス、アウトソーシングサービス、システムの保守サービスを行う。
経営ビジョンは「信頼と価値を創造するIT総合サービス会社」
兼松エレクトロニクスの経営ビジョンは「信頼と価値を創造するIT総合サービス会社を目指します」(同社HPより)です。多くの日本企業が採用してきたIBMユーザー向けのシステムのソリューションサービスを長く続けてきた実績から、企業理念に掲げる「お客様第一主義」を実践してきた堅実運営の会社です。
2021年度第1四半期は増収増益だが、コロナ禍で微増レベル
2019年までは売上、営業利益ともに着実な成長を続けてきましたが、新型コロナウィルスの影響でクライアント各社が経費抑制をする中でも、2021年3月期第1四半期の決算では、かろうじて増益増収を確保してます。これだけでも凄い安定感ではありますが、数字自体は微増のレベルでもあり、先を見通しきれていない状況と発表されてます。よって、配当も2021年度の期末配当は未定(2020年度の期末配当は70円。年合計135円)と発表されてます。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【横ばい】国内IT企業の投資意欲高く、仮想デスクトップ環境やストレージ基盤構築ビジネスに注力。が、リモートワーク増加による商談スピード低下が響く。新型コロナに対応した経費抑制で営業益横ばい。
両学長のポートフォリオにも選ばれていた高配当銘柄
兼松エレクトロニクス は、おなじみリベラルアーツ大学・両学長のポートフォリオ銘柄の一つとして取り上げられていたことから、リサーチしてみたました。後述しますが、売上、財務状況ともに安定した企業ですので、その堅調さを評価して、SBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄に採用いたしました。
↓↓両学長が初めて上梓した一冊。投資指南以上に支出を減らす項目が秀逸です。
そんな兼松エレクトロニクスを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
兼松エレクトロニクス の銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2020年3月期まできれいに右肩上がりです。営業利益率も15%前後と稼ぐ力が大きい会社ですね。EPSも順調に上昇してきてます。2021年の予想数字はでていませんが、第1四半期は微増ながらも増収増益でした。評価◎
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きで、評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、ここ2年50%台です。株主還元をしっかりと考えている会社のようです。評価〇
4、ROEとROA
ROEは2020年3月実績値が13.97%、ROAは2020年3月予想値が10.29%とターゲットライン超え。評価◎
5、PERとPBR
PERは16.65倍、PBRは2.39倍と、少々割高な水準で、評価〇
6、自己資本比率
自己資本比率は73.6%と文句なし。評価◎
7、有利子負債倍率
無借金経営です。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は50.5%とターゲットラインを超えています。利益剰余金も右肩上がりで増加中です。評価◎
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2020年3月期は年間135円でした。ここまで9年連続増配してきてますが、2021年3月期は未定です。第1四半期は微増ながらも増収増益でしたので、横ばいを想定してます。そうすると、配当利回りは3.14%となります。高配当銘柄ですね。配当性向も余裕があるので、減配しないことを期待するばかりです。
配当 年135円を維持できるか、業績伸長しだい
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、兼松エレクトロニクスを分析してみました。売上実績、財務とも大変優れた好銘柄ですね。コロナ禍でクライアントとの商談スピードが低下しているようですが、これまで積み上げてきた実績とクライアントとの信頼関係で、事業が大きく低下することはないではないかと思われます。
アラカンとしては、非常に良い会社ではありますが、株価が4300円台(年安値は2714円まで下落していました)と高水準なので、SBIネオモバイル証券の定期買い付けでコツコツ株数を増やしていこうかと考えてます。
それでは、また。
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