自動車産業を中心にした技術マニュアル作成からスタート
アラカンが保有している銘柄分析の第17回は、CDS(2169)です。
- 自動車産業を中心にした技術マニュアル作成からスタート
- 「ものづくり企業」をサポートしてきた40年の歴史
- 2020年12月期は減収見込みも、営業利益率は高いまま
- CDSの銘柄分析をしてみます
- 景気敏感な側面はあるものの財務内容はピカピカ
愛知県岡崎市に本社を置くCDSは金融商品のような社名ですが、Chuo Digital Solutionの頭文字からネーミングされた企業で、工作機械の技術マニュアルを作成する技術出版物専業会社として1980年に設立されてます。
「ものづくり企業」をサポートしてきた40年の歴史
一貫して「ものづくり企業」のサポート企業として、技術マニュアル作成を中心としたドキュメンテーション事業、3D-CADを使用した設計・開発やFAロボットを用いた生産システムの企画を行うエンジニアリング事業、自動車メーカーを中心に総合ITソリューションを提供する技術システム事業の大きく3つのセグメントから構成されてます。
会社概要(楽天証券より)CDSグループは自動車産業、情報家電産業、工作機械産業、医療機器産業、航空機産業などに属する顧客企業を主要取引先とする。【事業内容】同社は顧客企業の製品開発工程において、顧客企業の開発部門で作成された技術資料などをもとにしてマニュアルや製品の取扱説明書等の各種ドキュメントの制作を受託するドキュメンテーション事業、設計業務等を支援するエンジニアリング事業を行う。同社は3つの事業を運営する。ドキュメンテーション事業においては、技術情報をベースに、技術資料、教育資料、作業要領書、取扱説明書、パーツガイド、整備解説書等の制作及びこれに付随する事業を行う。エンジニアリング事業においては、製品開発・生産技術分野における三次元(3D)-CADによる製品設計・設備設計等の支援事業及びこれに付随する解析・データ変換・データ管理等の事業を行う。技術システム開発事業においては、コンピュータシステムの開発・運用及び企画・コンサルティング事業を行う。
2020年12月期は減収見込みも、営業利益率は高いまま
2020年12月が決算期になりますが、第2四半期決算短信では売上高前年比マイナス27.3%、経常利益マイナス33.8%と厳しい結果となってます。自動車メーカー関連の事業売上が高いので新型コロナウイルスの影響をモロに受けてしまったようです。前年度まで順調な成長を続けていたので、一とん挫してしまった様子です。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【記念配】システム開発は特需剥落と値引き要求の二重苦。仕様書も客先ごとにばらつく。学校向け横ばいの一方、ロボットの民需空振り。新工場の償却増も。40周年配。21年12月期は仕様書、ロボット上向く。「会社四季報」より
CDS は、おなじみリベラルアーツ大学・両学長のポートフォリオ銘柄の一つとして取り上げられていたことから、リサーチしてみたました。直近はコロナ禍で業績が一とん挫してますが、財務内容に優れ、「ものづくり企業」のサポート企業として堅実な事業を継続している、高配当かつ優良企業であることがわかりました。
↓↓両学長が初めて上梓した一冊。投資指南以上に支出を減らす項目が秀逸です。
そんなCDSを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
CDSの銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2019年12月期まではきれいに右肩上がりでしたが、202012月期予想値は大きく前年マイナスの見込みです。EPSも同様のトレンドですね。ただ十分に黒字水域ですし、営業利益率は2020年12月期予想値でも10%を超えてます。基本、稼ぐ力が大きい会社です。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは凸凹はありますが、プラス続きで、評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、直近は30%台で、理想的な水準です。評価◎
4、ROEとROA
ROEは2020年12月予想値が11.34%、ROAは2020年12月予想値が8.6%とターゲットライン超え、評価◎
5、PERとPBR
PERは12.83倍、PBRは1.46倍と、比較的買いやすい水準で、評価〇
6、自己資本比率
自己資本比率は70.7%と大変高い水準。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0.05倍と非常に低い水準で、評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は47.2%とターゲットライン超え。利益剰余金も右肩上がりで増加してます。評価◎
最後に配当利回りは
配当は本来なら横ばいなのでしょうが、創立40周年の記念配当として2020年12月期は55円(前年50円)を予定してます。配当利回りは4.04%と高配当銘柄です。これまでも段階を踏んで増配してきているので、今後の配当推移はコロナ収束期待による業績回復次第ということでしょうね、
↓↓IPO投資をするなら
景気敏感な側面はあるものの財務内容はピカピカ
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、CDSを分析してみました。「ものづくり企業」のサポート企業というポリシーを貫いてきた黒子的な存在ですが、特に財務指標が抜群の良い会社ですね。技術者派遣的な側面もあるので、景気動向には敏感な側面は否めないですね。
アラカンとしては、PBRが1倍台になれば買い増しもありですが、現状では一気に単元化するのではなく、SBIネオモバイル証券の定期買い付けで1株ずつコツコツと株数を増やしていこうかと思っています。
それでは、また。