高配当株投資で豊かな老後生活を

目標!月10万円の配当収入。不労所得でバラ色のリタイアを目指すアラカンの日記

高配当で株主優待でも人気な銘柄  オリックス(保有銘柄分析40)

日本のリース業の先駆け。現在は、多角経営で総合商社に似てきました

ラカン保有している銘柄分析の第40回は、オリックス(8591)です。

 

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大阪市に本社を置く、大手総合リース企業で、高配当かつ充実の株主優待個人投資家に人気の銘柄ですね。祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、ベンチャーキャピタルプロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けていて、グループを通して多角的金融サービス業を提供しています。日本のリース業界では、最大手になります。3万人を超える従業員が働き、グループ会社は1,000以上、そして世界37か国、200以上の営業拠点を有している日本屈指の大企業です。

 

その歴史は、1964年4月に日本でのリース産業の将来性に着目した日綿実業(当時)と三和銀行(現 三菱UFJ銀行)が、日商、岩井産業(当時、のちに3社とも合併して現 双日)の2商社と、東洋信託銀行(現 三菱UFJ信託銀行)、日本勧業銀行(現 みずほ銀行)、神戸銀行(現 三井住友銀行)、日本興業銀行(現 みずほ銀行)の4銀行の参加を得て、3商社、5銀行により、オリエント・リース株式会社(現 オリックス株式会社)を設立されたことに始まります。

これだけ多くの企業の出資から誕生した企業も珍しいと思います。創業時は資本金1億円、社員13人からスタートしたそうです。

 

馴染みが薄い業界ですが、プロ野球球団経営で一躍知名度アップ

 

そして1970年代からは、海外進出やリース以外の事業にも幅を広げていったのです。さらに1980年代は更なる多角化を進め、プロ野球球団を買収するに至りました。

その後も多角化は進み、保険ビジネスや投資銀行そして不動産業界にも進出します。

2010年代に入りリーマンショックを黒字で乗り切った後も、事業のリスク分散を目指して、太陽光発電事業や水族館そして空港の運営事業に進出して現在に至っています。

 

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同社HPより

オリックスは現在、リース業を主体とするものの総合的な事業を保有した業態となっていて、外からは何が本業なのか見えづらい企業ともいえます。業態としては、日本では総合商社に近い形かなと考えられます。

 

 

会社概要(楽天証券より)

オリックスは、同社、連結子会社850社(変動持分事業体およびSPE(特定の案件のために設立された事業体)などを含む)及び関連会社170社から構成され、多様な事業を展開する。【事業内容】同社は6つの事業セグメントで構成される。法人金融サービス事業部門は、主に融資事業、リース事業、金融商品販売などの手数料ビジネスを行う。メンテナンスリース事業部門は、自動車リース事業、レンタカー事業、カーシェアリング事業、測定機器・情報関連機器等のレンタル事業およびリース事業に従事する。不動産事業部門は、不動産開発・賃貸・ファイナンス事業、施設運営事業、不動産投資法人(REIT)の資産運用・管理事業、不動産投資顧問業を行う。事業投資事業部門は、サービサー(債権回収)事業、プリンシパル・インベストメント事業、環境エネルギー関連事業により構成される。リテール事業部門は、生命保険事業、銀行事業、カードローン事業に従事する。海外事業部門は、リース事業、融資事業、債券投資事業、投資銀行事業、船舶・航空機関連事業を行う。

 

 

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以上、同社HPより

リース会社業は要約すると「設備や機器を代わりに買ってあげる」仕事

 

リース業って、一般的には身近ではなく、どんなビジネスなのか分かりづらいですね。

リースというビジネス手法は、古くからあったようですが、日本では、1960年代にビジネスの手法として入ってきたようですね。オリックスは1964年の創業なので、比較的早い時期からリース事業を始めていたといえるのです。

 

リース会社とは、一言でいうと「設備や機器を代わりに買ってあげる」仕事ですね。

リース業は、様々な企業や自治体といった組織を相手に商売をします。新規ビジネスや事業を始めるにあたって、事業主は様々な設備や機器が必要になりますが、全てを一括購入するにはリスクが高くなりがちです。そこで、リース会社は「私達が機器を購入して、御社にその機器をお貸しします。」と営業するのです。企業や組織は賃貸料(リース料)を支払えば、設備や機器をすぐに導入することができますし、不要になれば、リース会社に返却することもできます。この仕組みは、ビジネスをする上での様々なリスクを大幅に軽減させることができるゆえ、リース業が国内外に広まっていきた歴史があるようです。

 

20213月度の当期純利益は前年比マイナス37.2%の1900億円を見込む

オリックスの業績ですが、11月2日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。営業収益が前期マイナス4.5%、営業利益がマイナス25.9%ときて、四半期純利益はマイナス41%の938億円でした。通期の当期純利益はマイナス37.2%の1900億円を見込んでいます。(前期は3027億円でした)

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オリックスの2021年3月期 第2四半期の決算短信(同社HPより)

オリックスは事業セグメントを海外事業を含め10に分類してます。第2四半期の利益では不動産と米国事業の減益が大きかったようです。新型コロナウィルスの影響が直撃するセグメントではあります。一方、環境エネルギーと保険、銀行・クレジット等の金融部門は前年同期比プラスでした。

 

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以上、同社HPより


会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【営業減益】ホテル・旅館に新型コロナ痛撃。航空機リース、レンタカーも厳しい。国内再エネや生保・銀行健闘するも営業減益。持分の関西エアポート苦戦が第2四半期から顕在化。今期のみ配当性向50%。

【大阪IR】新型コロナ受け、府・市により最終決定は当面延期、当初24年計画した開業時期は27~28年にずれ込む。太陽光発電M&A含め収益性高い海外案件意欲。

 

配当は現状維持を発表。自社株買い発表はサプライズ

オリックスは高配当銘柄として知られてますので、決算発表と同時にコロナ禍の影響で減配等があるのかどうかが注目されていましたが、2021年度の配当は前年同額の年間76円(中間35円、期末41円)で据え置くことが発表されました。グッドニュースですね。

 

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同社HPより

オリックスの配当方針ですが、

 

当社は、事業活動で得られた利益を主に内部留保として確保し、事業基盤の強化や成長のための投資に活用することにより株主価値の増大に努めてまいります。同時に、業績を反映した安定的かつ継続的な配当を実施いたします。

また、自己株式取得についても、必要な内部留保の水準を考慮しつつ、経営環境の変化、株価の動向および財務状況等を勘案のうえ、弾力的・機動的に対処してまいります。(同社HPより)

 

 方針通りではありますが、サプライズとして自社株買いも発表されました。最大5000万株、総額上限442億円の規模という事で、発行済み株式総数の約4%の割合です。これによってEPSが上昇し、現在市場に出回っている株の価値が上がって株価は上昇しますね。

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以上、同社HPより


株主を大切にするオリックスの姿勢が方針に留まらず、実行に現れました。高配当および株主優待目当てで保有している個人株主には嬉しい報せです。

 

 

そんなオリックスを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

オリックスの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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オリックスの売上高&営業利益(IRBANKより)

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オリックスの営業利益率(IR BANKより)

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オリックス当期純利益(IR BANKより)

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オリックスのEPS(IR BANKより)


売上高の2020年3月実績は2兆2803円、営業利益は2969億円で営業利益率は11.8%と、高い利益率を出してます。当期純利益は3027億円、EPSは237.38円です。2019年3月期までは一貫して上昇基調でした。2020年3月期は当期純利益は前年度マイナス6.5%でした。そして2021年3月期は前述したようにコロナ禍で大幅ダウン見込みです。予測が出ているのは当期純利益のみで1900億円ですね。前年マイナス37.2%です。評価△

 

2、営業キャッシュフロー

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オリックスの営業キャッシュフロー(IR BANKより)

営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。ただし、2020年3月期は、1兆円を超えていました。評価◎

 

3、配当性向

 

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オリックスの配当性向(IR BANKより)


配当性向実績は、2020年3月期は34.3%でしたが、その前3年間は20%台でした。2021年3月期は配当性向がUPするでしょうね。評価〇

 

4、ROEとROA

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オリックスのROE(IR BANKより)

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オリックスのROA(IR BANKより)


ROEは2020年3月実績値で10.11%(2021年3月予測値は6.38%)、ROAは2020年3月実績値で2.32%(2021年3月予測値は1.44%)でした。金融業界は総資産が大きくなりがちです。2020年度は13兆円を超えてます。また、オリックスの場合、単なる金融業に留まらず総合商社的な企業でもありますが、この業界も総資産が大きくなりがちですね。

評価△

 

5、PERとPBR

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オリックスの株価指標(IR BANKより)

PERは8.78倍、PBRは0.56倍と割安な水準ですね。評価◎

 

6、自己資本比率

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オリックス自己資本比率(IR BANKより)

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オリックス貸借対照表マネックス証券 銘柄スカウターより)

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同社HPより

自己資本比率は2020年3月実績で22.93%と低数字です。ただ、これには理由がありまして、リース会社は、物件購入のために金融機関から融資を受けることが多いです。これはリースで得られる利回りより、銀行からの融資に対する利息の方が低いからです。そのためバランスシートでは、借入金が多く計上されます。したがって、多くのリース会社の自己資本比率は50%を超えていないことが多いのですね。実際、オリックスは20%台で安定してますし、参考までに格付機関の評価をみても、主要4社の格付は異なりますが、すべてAランクに入ってます。評価〇

 

7、有利子負債倍率

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オリックスの有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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オリックスの有利子負債倍率等(株探 より)

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オリックスの現金等(IR BANKより)

有利子負債倍率は上記にも記したように融資が多いので1倍を超えてしまいますね。ちなみに現金等は1兆円を超えてますので、支払い余力は大きな問題はないかと思われます。評価△

 

8、利益剰余金÷総資産

 

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以上、オリックス連結貸借対照表(同社HPより)

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オリックスの総資産(IRBANKより)※利益剰余金の推移表はナシ



利益剰余金を総資産で割った数字ですが、2020年3月の利益剰余金は2兆7544億円に対し、同期の総資産は13兆675億円でしたので、21%とターゲットラインには届きません。

リース業の性格上、内部留保が大きく積みあがっていくものでもないのかと思います。投資も活発な会社ですし、この辺りは総合商社に近いと思われます。ちなみに同業のリコーリースの同期の同指標が14%なので、リース業としては高めの数字かと思われます。評価△

 

最後に配当利回り

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オリックスの一株配当(IRBANKより)

配当は上記したように、2021年3月度は前年と同じ年間76円配当を公表してますので、を見込んでますので、配当利回りは5.63%です。高配当銘柄ですね。

 

前年同額の年間76円の配当。配当利回りは5%超え

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づきオリックスを分析してみました。

オリックスは高配当かつ株主優待でも有名な企業で、個人投資家に人気の高い銘柄ですね。

コロナ禍で業績や配当予想などが長らく未発表だったので、減配の可能性も低め株価は低迷気味でした。アラカンは、そんな中、権利確定前に1250円で100株購入しました。

配当維持と自社株買いの発表があって、現在株価は1350円近くまで上昇しました。このまま安定運行をお願いしたいところです。

業績は発表通りの厳しい状況ですが、手堅いセグメントもあって、総合商社のようです。なかなか外からではわかりずらい会社ではありますね。財務もピカピカとは言いがたいのですが、金融業として、メーカーやサービス業の企業分析と同様では測りがたいところもあります。

 

さて、個人投資家に人気の株主優待については、何の言及もなかったので、これまで通りの継続でしょう。

 

具体的には

 

(1)ふるさと優待(3月のみ)

(2)株主カード

(100株以上)

※(1)全国各地の取引先企業が製造・販売する特製の食品・飲料などが掲載されたカタログから1品を選択

※(2)プロ野球観戦やレンタカー、ホテル・旅館、水族館など、オリックスグループが展開する各種サービスを割引価格で提供

 

※(1)3年以上継続保有(3月末日の株主名簿に同一株主番号で連続して記載)の100株以上保有の株主には、さらに充実した内容のカタログギフトを進呈

 

といった内容になります。

ラカンオリックスの株主になって日が浅いので、株主優待は気長に待っていようと思ってます。

基本、余程のことがない限り、長期ホールドの予定です。

 

 

 それでは、また。

 

 

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