一見すると外資系企業のようですが、100年を超える歴史のある日本企業
アラカンが保有している銘柄分析の第11回は、SPK(7466)です。
SPKは大阪市福島区に本社をおく自動車部品・用品および産業車両部品を扱う専門商社です。
一見、外資系のような社名ですが、
- Sincerity(誠実)に生き、
- Passion(情熱)を持って仕事をし、
- Kindness(親切)な対応ができる企業人の集団
キーワードの頭文字が社名になっています。1917年に伊藤忠商事の機械部から分離して設立された歴史のある会社(当時の社名は大阪自動車株式会社。後に伊藤忠の系列からは外れます)で、1992年に現在の社名になり、1995年に株式公開を果たしてます。
会社概要(楽天証券より)
SPKグループは、自動車部品と産業機械車両部品の国内販売及び輸出入を主な事業内容とする。【事業内容】3つの事業セグメントで構成される。国内営業本部事業は、国内自動車部品・用品メーカーが生産する部品・用品及び‘欧米からの輸入部品を全国の事業所を通じ、全国に存在する地域部品卸商・カー用品ショップ等へ販売する。海外営業本部事業は、主に国内自動車部品メーカーが生産する部品を、現地の輸入商を通じ、世界80ヶ国余へ販売する。工機営業本部事業は、国内外のメーカーが生産する部品を建機・農機・フォークリフト等のメーカーへ、組付部品として販売する。
前期より1円増配の年間37円の配当決定
SPKは 堅実な経営をモットーに、1999年から22期連続増配記録中の注目企業でしたが、コロナの影響で、自動車部品納入先の修理工場が自粛したことなどから、2021年3月は売上、営業利益みとも前期より減少見込みながらも、上期央から挽回しつつあることから、1円増配の年間37円の配当を発表し、23年連続増配となりました。
SPKは、正直、全く知らない会社だったのですが、連続増配中の銘柄として株チューバ―さんの動画で紹介されていて、注目リサーチしたところ、堅実経営で連続増配中の魅力的な企業だったことがわかりました。後述しますが、SPKは財務内容も大変優れていたことから、アラカンがSBIネオモバイル証券で開始した「1株投資定期買い付け」の一銘柄とさせていただきました。(まだ2株しか保有しておりませんが・・・)
そんなSPKを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
SPKの銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益、EPSともに2020年3月期までは、順調な成長を続けてきましたが、新型コロナウイルスの影響を相当に受け、2021年3月はともに減益予想となってます。売上と営業利益は10%台、EPSは30%台の前年比マイナス予想です。また、商社という事業の特性上営業利益率は余り高くありません。もちろん、まだまだ十分に黒字の水準ですので、コロナが収まってくれれば、再上昇するのではないかとは思われます。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、凸凹がありますが、2020年3月までは基本プラスなので、評価〇
3、配当性向
配当性向実績は、過去7年は20%台とかなり低いですね。2021年3月期も増配発表されましたので、まだ配当余力はありますね。評価〇
4、ROEとROA
ROEは2021年3月予想値が5.93%、ROAは2021年3月予想値が4.23%と、ともに基準値には届かず。ROEは10%に近づけてほしいものです。評価は△
5、PERとPBR
PERは13.03倍、PBRは0.77倍と、評価◎
6、自己資本比率
SPKの自己資本比率(IR BANKより)
自己資本比率は69.2%とターゲットラインの40%を大幅超え。評価◎
7、有利子負債倍率
ほぼ無借金経営です。有利子負債倍率は0.1%です。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は63.1%と基準点をクリア。利益剰余金も年々増加していて、評価◎
最後に配当利回りは
配当は、上記したように23年連続増配中です。本来なら、2021年3月は横ばいでも致し方ない予測値ですが、配当性向に余力があるのか、連続記録をストップさせたくないのか、企業のプライドをかけた1円増配ですね。配当金は37円、配当利回りは2.69%なので、高配当銘柄には届かないですが、23年連続増配は大したものですね。
売上、利益は前年比マイナスも、財務面はピカピカ
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、SPKを分析してみました。自動車関連産業は、景気の影響を受けやすい側面がありますので、新型コロナウイルスの影響は図りしれないものがあると思われます。売上、利益ともに前年比マイナスですが、4年くらい前とほぼ同じ水準見込みですし、余裕の黒字ラインではあります。コロナ禍が鎮静すれば、元の業績に回復すると思われますし、財務面ではピカピカの企業です。配当利回り的には2%台なので、物足りませんが、連続増配記録更新中ですし、ポートフォリオの一つに入れても良い銘柄だと思われます、
それでは、また。