日経高配当株ETFにも採用された高配当銘柄
アラカンが保有している銘柄分析の第24回は、積水ハウス(1928)です。
- 日経高配当株ETFにも採用された高配当銘柄
- 安定高配当銘柄ドコモ株消滅で代替銘柄に一考も
- ハウスメーカー部門の売上シェアは16.2%だけだった
- コロナ禍で売上、利益ともにダウンも、増配を発表
- 積水ハウスの銘柄分析をしてみます
- 9期連続増配の高配当銘柄。権利確定が1月末という点にも妙味アリ
積水ハウスはハウスメーカーの雄として名高い会社です。「住まいの参観日」「家に帰れば、積水ハウス」等のCM等で馴染み深い企業ですね。また、高配当銘柄としてNEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信の銘柄にも組み込まれています。
安定高配当銘柄ドコモ株消滅で代替銘柄に一考も
ご存知の通り、NTTによるNTTドコモの完全子会社化TOBによって、上場廃止になるドコモ分の配当金枠が消滅してしまいます。TOBプレミアムによるキャピタルゲインは有難いのですが、高配当株投資家としては安定高配当株銘柄だったドコモの代替銘柄を模索している方も多いのではないでしょうか。
その候補筆頭としてアラカンが単元化を狙っている銘柄の一つが積水ハウスです。既にSBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄として、1株ずつ買い付けをしてきた銘柄ですが、この機会に改めてファンダメンタル分析をしてみたいと思います。
会社概要(楽天証券より)
積水ハウスグループは、主に工業化住宅の設計、施工及び請負並びに不動産の売買、仲介、賃貸借、管理及びそれらに関連する事業活動を行う。【事業内容】8つの事業セグメントを通じて事業を展開する。不動産フィー事業は、不動産の転貸借、管理、運営及び仲介等を行う。賃貸住宅事業は、賃貸住宅、医療介護施設等の設計、施工及び請負を行う。戸建住宅事業は、戸建住宅の設計、施工及び請負を行う。国際事業は、海外において戸建住宅の請負、分譲住宅及び宅地の販売、マンション及び商業施設等の開発、分譲を行う。都市再開発事業は、オフィスビル、商業施設等の開発、保有不動産の管理、運営を行う。分譲住宅事業は、住宅、宅地の分譲、分譲宅地上に建築する住宅の設計、施工及び請負を行う。リフォーム事業は、住宅の増改築等を行う。マンション事業は、マンションの分譲を行う。また、エクステリア事業等を行う。
ハウスメーカー部門の売上シェアは16.2%だけだった
積水ハウスは、ハウスメーカーの代表株ですので、戸建て住宅事業の売上比率が相当高いものと思っていたのですが、同社の決算資料等で調べてみると総売上の16.2%しかないのですね。積水ハウスは現在、事業セグメントを4つのビジネスモデルで規定していて、戸建て住宅事業を含む「請負型ビジネス」のほか、「ストック型ビジネス」「開発型ビジネス」「国際型ビジネス」で構成されてます。
2010年から2019年の10年間で営業利益は3.6倍強増えているのですが、10年前には微小なシェアだった「開発型ビジネス」が19%、「国際型ビジネス」が21%と大きく伸長し、利益拡大に寄与してます。一方、「請負型ビジネス」も利益数字は38%増加しているのですが、シェアは76%から48%となりました。事業ポートフォリオのバランスがとれた総合型住宅建設企業に進化を続けてきています。
コロナ禍で売上、利益ともにダウンも、増配を発表
積水ハウスは1月決算という珍しい決算期の会社です。2020年8月に発表された第70期中間報告書によると、売上高は前年比マイナス3.3%、営業利益は前年比マイナス18%と、コロナの影響を相応に受けてます。業績が厳しいことは確かですが、事業ポートフォリオでは増収の部門もあって、事業多角化の良い面が出てきています。2020年度の最終見込みは、売上高は前年ほぼトントンを見込んでます。配当も1円増配の82円を予定していて、これで9期連続増配になります。
そんな積水ハウスを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
積水ハウスの銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2021年1月期は前年より減収見込みです。売上高0.01%、営業利益は14.7%マイナスの予定です。ただ10年前と比較して売上1.57倍、営業利益は2.46倍と成長をし続けていて、コロナ禍で一休止といったところでしょうか。営業利益率は7%と今一歩のところではあります。EPSも営業利益に準じたトレンドとなってます。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。2020年度は何と190%も伸びてます。評価◎
3、配当性向
配当性向は、30~40%台と理想的な水準です。評価◎
4、ROEとROA
ROEは2021年1月予測値は8.93%、ROAの2021年1月予測値も4.41%とターゲットラインには届かず。評価〇
5、PERとPBR
PERは11.07倍、PBRは0・99倍と、買いやすい水準に入ってきました。評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は48.1%とターゲットラインである40%を超えてます。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0.45倍と低い水準ですね。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は29.8%とターゲットラインに僅かに届かず。ただ利益剰余金はコロナ禍でも順調に増加してます。評価〇
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2021年1月に年間82円の配当を予定してます。前年より1円ではありますが、増配は増配です。9期連続増配ということで、同社の株主還元の高い意識を感じます。配当利回りは4.43%と高配当銘柄といえます。今後の増配も期待できます。
9期連続増配の高配当銘柄。権利確定が1月末という点にも妙味アリ
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、積水ハウスを分析してみました。ハウスメーカーの代表格の企業ですが、売上高に占める戸建て住宅事業のシェアが16.2%しかないのには少々驚きました。売上が2兆円を超える大企業ですが、現状に留まることをせず、事業ポートフォリオを着実に拡大している姿に好感を抱きました。株式投資でもポートフォリオ分散は重要です。
株主優待制度もありますが、1000株保有以上で、コシヒカリ新米5kgとのことにて、敷居が高いですね。この点は改善を期待したいところです。
アラカンとしては、現在、SBIネオモバイル証券で1株定期買い付け中の銘柄の一つではありますが、PBRが1倍を切って買いやすい局面になってきたことと、1月末権利確定日ということで、配当支払い月が4月と9月になります。配当収益の少ない月になりますので、これも少し嬉しいところです。ドコモ株分の代替銘柄として、タイミングを見計らって単元化することを狙っていこうかと考えてます。
それでは、また。