TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。22兆円を超える時価総額
アラカンが保有している銘柄分析の第41回は、トヨタ自動車(7203)です。
- TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。22兆円を超える時価総額
- アラカンはリーマン後に安値で購入。現在も株価バク進中
- 2021年3月度当期純利益を上方修正。第1四半期予想より6900億円上昇の1兆4200億円に
- 中間配当は横ばいプラス特別配当の105円を発表。期末はいかに?
- トヨタ自動車の銘柄分析をしてみます
- ROE、営業利益率は案外ですが、底力は抜群
トヨタ自動車株式会社は、説明不要な日本を代表する大手自動車メーカーですね。通称「トヨタ」、英語表記「TOYOTA」、トヨタグループ内では「TMC」と略称されているそうです。
豊田自動織機を源流とするトヨタグループの中核企業で、ダイハツ工業と日野自動車の親会社、SUBARUの筆頭株主でもあります。
トヨタグループ全体の2018年の世界販売台数は約1,059万台で3位、トヨタブランド単独では約886万台で世界第1位です。
また、日本企業の時価総額ランキングのうち、トヨタ自動車の時価総額は22兆9029億円と、第2位のソフトバンクグループ14兆477億円を8兆円も上回る、ぶっちぎりのトップ企業です。TOPIX Core30の構成銘柄の一つですので、日本の株指数の帰趨を左右する大企業ですね。
アラカンはリーマン後に安値で購入。現在も株価バク進中
アラカンは、すでに売却したドコモと同タイミングの2008年9月に3900円台で100株購入してます。その後の株価上昇を鑑みると、良い時期に購入できたお宝株といえます。
配当も、ここ6年ほど年間200円以上を出していますので、大変有難い存在です。直近では、米大統領選の終結に続き、ファイザー製薬がコロナワクチン開発成功もあって、日経平均は暴騰中で、トヨタ株も年初高値8026円(2020年2月6日)を目指し7400円台まで上昇してきました!
会社概要(楽天証券より)
トヨタ自動車グループは自動車事業を中心に、金融事業及びその他の事業を行う。【事業内容】自動車事業は、セダン、ミニバン、2ボックス(BOX)、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品、用品の設計、製造及び販売を行う。金融事業は、主として同社及び同社の関係会社が製造する自動車と他の製品の販売を補完するための金融並びに車両のリース事業を行う。その他の事業は、住宅の設計、製造及び販売、情報通信事業等を行う。同社は子会社を通じて、北米と欧州の研究開発及び製造販売会社の統括、並びに渉外、広報、調査活動を行う。
2021年3月度当期純利益を上方修正。第1四半期予想より6900億円上昇の1兆4200億円に
トヨタ自動車の業績ですが、11月6日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。営業収益が前期マイナス25.9%、営業利益がマイナス62.8%ときて、四半期純利益はマイナス46.7%の6318億円でした。通期の当期純利益はマイナス30.3%の1兆4200億円を見込んでいます。(前期は2兆361億円でした)
第1四半期決算短信での、当期純利益の通期見通しは7300億円でしたので、だいぶ改善されましたね。6900億円も当期純利益見通し額が増加したことになります。
中でも大きかったのが、中国事業の伸長ですね。2019年4~9月期の営業利益782億円かから、コロナ禍にもかかわらず、2020年4~9月期の営業利益が342億円増えて1124億円となりました。中国マーケットの回復は物凄い勢いのようです。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
【大幅減益】IFRS移行。コロナ響くが中国好調で世界販売910万台(13%減)に上方修正。上期は減産で固定費負担重い。円高逆風に開発費も重く利益急落。ただ会社計画は経費節減や新型車効果を慎重視。
【回 復】7月世界販売は前年同月比9割に回復。20年中国販売は前年比8%増計画。マツダとのアラバマ合弁工場に8・3億ドル追加投資、生産車種変更や最新設備に充当。
中間配当は横ばいプラス特別配当の105円を発表。期末はいかに?
トヨタ自動車は2015年度から年間配当金を200円以上出している高配当銘柄です。第1四半期決算短信では2021年度の配当予想を未定としていたので、心配をしていましたが、第2四半期では、サプライズっぽい業績を発表したと同時に、未定としていた配当のうち、中間配当についての発表がありました。前年中間配当100円に対して、普通配当100円プラス特別配当5円の計105円に(´▽`) ホッとしました。前年横ばいなので、期末も前年同額以上を期待したいところです。
トヨタ自動車の配当方針ですが、
当社は、株主の皆様の利益を重要な経営方針の一つとして位置付けており、持続的な成長の実現に向け、引き続き企業体質の改善に取り組み、企業価値の向上に努めています。
配当金については、普通株式については連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に配当を行うよう努めていきます
(同社HPより)
後述いたしますが、配当性向は近2年連続して30%台前半ですので、有言実行の企業ですね。コロナ禍でも、安定した配当を出していただきたいものです。
そんなトヨタ自動車を、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
トヨタ自動車の銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、売上推移とEPS
売上高の2021年3月予想値は前年度マイナス12.95%の26兆円、営業利益はマイナス46.78%の1兆300億円です。当期純利益予想値は上記したように1兆4200億円(当初予想は7300億円)、EPSは507.88円(当初予想261.09円)です。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは2020年3月は前年より減りましたが、2兆3984億円もあります。一貫してプラス続きで、評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、2020年3月期は30.94%でした。おおむね20~30%台です。
評価〇
4、ROEとROA
ROEは2020年3月実績値で9.88%(2021年3月予測値は6.76%)、ROAは2020年3月実績値で3.77%(2021年3月予測値は2.51%)でした。ROEは前年度は10%近くあったのですが、今期予想値は6%台です。いずれも基準値に届かず。評価△
5、PERとPBR
PERは10.05倍、PBRは0.97倍と割安な水準ですね。評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は2020年3月実績で38.2%と基準値には、わずかに届かない状況です。ただ、現金等は4兆円を超えておりますので、支払い余力は十分あると思われます。
評価〇
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は、設備投資等が大きいことに起因していると思われますが、1.12倍と1倍を超えてます。ただ上記したように現金等が4兆円を超えてますので、支払い余力は大きな問題はないかと思われます。評価〇
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は41.1%とターゲットラインを超えてます。利益剰余金が22兆円を超えてます。さすが、時価総額ナンバーワン企業です。評価◎
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2021年3月度は中間配当のみ確定してます。普通配当は100円と前年横ばいですので、期末配当も同額の120円と仮定すると年間220円で、配当利回りは3.01%とギリギリ高配当銘柄といえますね。
ROE、営業利益率は案外ですが、底力は抜群
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づきトヨタ自動車を分析してみました。
時価総額日本一の企業らしく、売上、営業利益、総資産、利益剰余金、現金等といった指標は軒並み兆円単位という壮大なものとなります。
2021年3月はコロナ禍で、売上や利益等の指標はダウンしてしまいましたが、期中に上方修正してくるあたりは流石!トップ企業ですね。営業利益率やROEが、さほど高くない点は気がかりですが、財務的には優秀です。底力のある企業だということを再認識しました。
アラカン個人としては、かなり割安に購入できているので、長期ホールド前提で、ただただ減配しないことを祈るばかりですが、株価も相応に高いので、今から割り増し購入等はしないつもりです。
それでは、また。