外資系みたいな名前ですが、創業90年を超える化学メーカーです
アラカンが保有している銘柄分析の第21回は、バルカー(7995)です。
- 外資系みたいな名前ですが、創業90年を超える化学メーカーです
- 両学長がみつけてくれたお宝高配当銘柄
- コロナ禍でも財務はピカピカ。株主還元の意識も高い
- 2021年3月の通期業績予想は算定できず未開示
- バルカーの銘柄分析をしてみます
- 配当100円を維持できなくても高配当はキープ?!
- 最後にNTTについて
バルカーは産業用のふっ素樹脂や高機能ゴムなど素材製品のメーカーです。ある。工業用パッキン、ガスケット等の配管のつなぎ目に貼るシール材を製造するBtoBの化学メーカーです。
バルカーって何語? 外資系企業?かと一瞬浮かびましたが、何と1927年(昭和2年)創業と大変歴史のある会社でした。社名バルカー(VALQUA)の由来は、「Value」(価値)と「Quality」(品質)の二つの単語を組み合わせた造語とのことです。
会社概要(楽天証券より)
バルカーグループ(旧名:日本バルカー工業グループ)はシール製品事業、機能樹脂製品事業およびその他関連事業の製造・販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務を営む。【事業内容】シール製品事業の主要構成製品には、プラント・機器 関連製品、エラストマー製品、自動車部品、その他シール製品がある。機能樹脂製品事業は樹脂製品を提供。その他関連事業事業はその他の関連製品を提供する。
両学長がみつけてくれたお宝高配当銘柄
プラント、半導体製造装置、産業機械などを主用途として堅実な事業経営をしてきた会社ですが、コンシューマー向け製品をもたず、地味なメーカーでもあったので、正直全く知らない企業だったのですが、ご存知リベラルアーツ大学・両学長の高配当株投資銘柄として新登場したことで注目してみました。
コロナ禍でも財務はピカピカ。株主還元の意識も高い
SBIネオモバイル証券での一株定期買い付け投資銘柄のうち、KDDIとNTTを単元化したことで、2枠空いたポジションに、先日銘柄分析をしたTAKARA&COMPANYとバルカーを追加組み入れすることにしてみました。
理由としては、現状なかなかの高配当銘柄であること、財務諸表も悪くないこと、保有株式ポートフォリオのセグメント分散の中で化学セグメントは比率が低かったので、その割合を少し高めようとしたこと等によります。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【続落】シール事業はリモートワーク普及で半導体製造装置向けが回復。が、コロナ禍で自動車や建設機械向け低調。プラント市場向けは原油安によるプロジェクト中断が響く。機能樹脂も減少し営業連続減益。
【中計】創業100周年の27年3月期に売上高800億円、ROE15%を目標とし、M&Aに積極的。シール製品は医療や食品など新分野向けに高機能品開発目指す。
2021年3月の通期業績予想は算定できず未開示
バルカーの2021年3月期 第1四半期の決算短信を見ると、売上高、営業利益ともに前年比マイナスで、通期の業績予想も新型コロナウィルスの影響で、合理的算定が困難で未開示、配当も未定と記されています。
ただ2020年3月実績では年間100円の配当を出してます。仮に配当が横ばいだとして、配当利回りは5.17%あります。2021年3月はある程度の減配は覚悟しながらも、まだまだ高配当銘柄のままでいてくれるのではないか…と期待してしまいます。
そんなバルカーという渋い高配当企業は、上記したように、おなじみリベラルアーツ大学・両学長のポートフォリオ銘柄の一つとして取り上げられていたことから、リサーチしてみたました。後述しますが、今期、売上、営業利益は減少も、財務状況が安定した企業で、かつ高配当銘柄なので、SBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄に追加採用いたしました。
↓↓両学長が初めて上梓した一冊。投資指南以上に支出を減らす項目が秀逸です。
そんなバルカーを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
バルカーの銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2020年3月期からマイナスとなってます。それまでも、結構、売上&利益の振れ幅は相応にある会社ですね。景気動向に敏感な銘柄かもしれません。EPSも同様のトレンドです。コロナの影響がいち早く出てしまったのでしょうか。す。営業利益率は2020年3月期には8.74%と低下してしまいました。前2年は10%超えしていたのですが。2021年3月の予測値も算定されてないので、何ともいえないところですね。四季報の解説では明るい目も出てきているようですが…。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きで、評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、2017年~2019年にかけては理想的な30~40%台だったのですが、2020年は60%と上がってしまいました。過去、売上&利益が前年マイナスになったタイミングで配当性向が上がってますので、株主還元の意識が高い会社のようです。評価〇
4、ROEとROA
ROEは2020年3月実績値が8.75%、ROAは2020年3月実績値が6.06と、ROEがターゲットラインに届かず。評価〇
5、PERとPBR
PERは11.68倍、PBRは1.02倍と、かなり買いやすい水準で、評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は69.3%と厚みがあります。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0.14倍と低い水準です。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は34・4%とターゲットラインを超えています。利益剰余金も蓄積され内部留保となっていると思われます。評価◎
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2020年3月実績では年間100円の配当を出してます。
仮に配当は横ばいだとして、配当利回りは5.17%あります。2015年から6年連続増配を続てきていて、株主還元の意識が高い会社だと思われます。2021年3月期は、現状の売上&利益を見る限りでは減配となる可能性は十分ありうると思われますが、元々の配当利回りが高いので、少々減配したしても、高配当銘柄を維持してくれるのではないかと期待してます。
配当100円を維持できなくても高配当はキープ?!
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、バルカーを分析してみました。
バルカーはBtoB型企業として、景気動向に左右されがちではありますが、一方、各産業を蔭で支える手強い企業でもあります。コロナ禍で売上&利益は厳しい環境にありますが、財務面では大変優れた企業であって、簡単に倒れることはなさそうですね。一日も早いコロナ収束を願う限りです。
アラカンとしては、非常に良い会社ではあり、仮に減配しても相応の高配当を維持できると信じ、SBIネオモバイル証券の定期買い付けでコツコツ株数を増やしていこうかと考えてます。
最後にNTTについて
本日の日経新聞トップ記事でしたが、NTTがNTTドコモを完全子会社化、ドコモは上場廃止とのニュースに驚きました。本日のドコモ株価は昨日終値から15%強上がって438円高の3213円とストップ高でした。NTTが発表したTOB価格は3900円とのこと。ドコモは配当も高い好銘柄なので少々残念な気持ちもありますが、購入価格が安かったので、まあまあ美味しいかなと感じてます。その分で次は何の株を購入しようか検討してみよう。
それでは、また。
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