多様な物質を吸着させるベントナイトは薬用シャンプーにも使われている
アラカンが保有している銘柄分析の第22回は、クニミネ工業(5388)です。
- 多様な物質を吸着させるベントナイトは薬用シャンプーにも使われている
- ベントナイトは自動車の鋳物、農薬、化粧品と広く使われている鉱物
- 2021年3月の通期業績予想は前期マイナスもアグリ事業は増収増益
- クニミネ工業の銘柄分析をしてみます
- 財務体質の強固な会社。ポートフォリオ分散の一つとして
クニミネ工業は国内トップのベントナイトメーカーで、粘土鉱物ベントナイト原鉱石の採掘、ベントナイトの製造・販売等を行ってます。
ベントナイトは、モンモリロナイトを主成分とする粘土の総称で高い粘性、粘着性、吸水性や吸着性などの性質により、陶磁器のほか、工業、建設業で幅広く利用されています。
クニミネ工業はベントナイト事業、アグリ事業、化成品事業の3つのセグメントを展開していて、身近なところでは、ベントナイトは多様な物質を吸着するため、スカルプシャンプーや猫砂にも用いられています。
会社概要(楽天証券より)
クニミネ工業グループは、ベントナイト原鉱石の採掘、ベントナイトの製造、販売、農薬加工及び化成品の製造販売を行うほか、粘土鉱物、調泥剤の仕入販売、サービス部門として運送取扱い業務と各種研究・分析業務を営む。【事業内容】3つの事業セグメントを通じて事業を展開する。ベントナイト事業は、鋳物用、土木建築用、ペット用トイレ砂等のベントナイト、調泥剤、止水材の製造販売を行う。アグリ事業は、農薬加工、農薬基剤及び農薬加工用原材料、農業資材等、土壌改良剤、農薬用途向け精製ベントナイト等の製造、加工、販売及び運送取り扱いを行う。化成品事業は精製ベントナイト、環境保全処理剤等を製造販売する。
ベントナイトは自動車の鋳物、農薬、化粧品と広く使われている鉱物
ベントナイトは世の中で広く利用されている特殊粘土鉱物ではありますが、、正直、全く知らない分野ではありました。ただ、そのトップ企業であるクニミネ産業について、ご存知リベラルアーツ大学・両学長の高配当株投資銘柄として紹介されていたので注目してみました。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【減益幅縮小】復興関連案件が順調に拡大。自動車向け鋳物も減少幅が想定よりも縮小。輸入原料調達懸念だった農薬も順調に生産販売見込み。営業益前号比増額。鋳物、農薬の大幅減益想定の会社計画は保守的。
2021年3月の通期業績予想は前期マイナスもアグリ事業は増収増益
クニミネ工業の2021年3月期 第1四半期の決算短信を見ると、売上高、営業利益ともに前年比マイナスで、通期の業績予想も新型コロナウィルスの影響で、同様にマイナスの見込みとなってます。時に自動車向けの鋳物、建機関係の売上が鈍化したことが大きかったようです。ただ四季報の解説記事に記載があるように、復興需要の取り込みで土木建築関連が若干増、アグリ事業が増収増益と良い面も出てきているとのことです。2021年3月期の配当は現状2020年3月記横ばいの30円を予想してます。
そんなクニミネ工業は、上記したように、おなじみリベラルアーツ大学・両学長のポートフォリオ銘柄の一つとして取り上げられていたことから、リサーチしてみました。後述しますが、今期、売上、営業利益は減少も、財務状況が安定した企業で、かつ特化した分野のトップ企業であること、土石・ガラスというセクター分散などの狙いで、SBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄としておりました、
↓↓両学長が初めて上梓した一冊。投資指南以上に支出を減らす項目が秀逸です。
そんなクニミネ工業を、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
クニミネ工業の銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高、営業利益ともは2020年3月期からマイナスとなってます。それまではきれいに
右肩上がりだったので、新型コロナの影響は大きかったですね。EPSも同様のトレンドです。営業利益率は2021年3月予想値が5%台ですが、前年までは12%と高い数値を叩き出してましたので、利益を生みやすい企業体質のようです。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きで、評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、2020年度は26.3%でした。まだ配当性向に余裕はありますね。コロナ禍明けには増配を期待したいところです。評価〇
4、ROEとROA
ROEは2021年3月予測値は2.86%と低いですね。前年度は9%台だったので、コロナの影響でしょうか。ROA2021年3月も2.36%と低目の数字です。いずれもターゲットラインには届かず。評価△
5、PERとPBR
PERは8.66倍、PBRは0.79倍と、かなり買いやすい水準で、評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は82.6%と厚みがあります。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0.06と低い水準です。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は63.7%とターゲットラインを超えています。利益剰余金も順調に増加してます。評価◎
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2020年3月実績では年間30円の配当を出してます。2021年3月期予想も前年同額30円を予定してます。配当利回りは2.71%です。3%に届いていないので、高配当銘柄とはいえないないですね。これまでの配当実績をみると2018年3月期の記念配当分を除くと、横ばい→増配→横ばいといったピッチで、四季報の記述にもあったように保守的な企業体質なのでしょうか。配当性向からして、コロナの影響から脱却後には是非とも増配を期待したいところです。
す。
財務体質の強固な会社。ポートフォリオ分散の一つとして
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、クニミネ工業を分析してみました。
2020年3月までは文句なしの企業業績でしたが、コロナの直撃を受けてしましました。
特に先に自動車業界、建機業界などがありますので、致し方ないところでしょうか。ただ財務体質は非常に堅固ですね。何より、特殊マーケットでのトップ企業であるということが企業の強さの源泉だと思われます。
アラカンとしては、財務体質の強い会社ですし、ガラス土石製品というセクターでもあるので、ポートフォリオ分散という観点から、SBIネオモバイル証券の定期買い付けでコツコツ株数を増やしていこうかと考えてます。
それでは、また。