高配当株投資で豊かな老後生活を

目標!月10万円の配当収入。不労所得でバラ色のリタイアを目指すアラカンの日記

超高配当のメガバンク  三井住友フィナンシャルG(保有銘柄分析46)

 二大財閥系銀行の合併に伴い誕生した金融コングロマリット

ラカン保有している銘柄分析の第46回は、三井住友フィナンシャル・グループ(8316)です。

 

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歴史の深く財閥系の都市銀行住友銀行(1895年創業)と、三井銀行(1976年創業)を祖とするさくら銀行三井銀行太陽神戸銀行の統合)が合併し三井住友銀行が誕生したのが2001年でした。

金融持株会社三井住友フィナンシャルグループが誕生したのが2002年で、傘下には三井住友銀行のほか、三井住友ファイナンス&リース 、SMBC信託銀行三井住友カード(クレジットカード会社)、日本総合研究所SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)といった企業を漸次加え、金融コングロマリットとしての三井住友フィナンシャルグループ(略称はSMBCグループ)の地位を固めてきました。

 

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同社HPより

元4大証券の日興もグループ入り。バランスのとれた陣容に

また、投資家には馴染みの深い日興証券(アラカンも長らくお世話になります)が、2009年にシティバンク傘下を離れグループ入りしました。現在のSMBC日興証券ですね。四大証券(野村、大和、日興、山一)の中で、メガバンクグループに属しているのは三井住友フィナンシャル・グループだけです。

金融グループとして、銀行、証券、カード、リース、コンシューマーファイナンスのバランスが最も取れているのが、このグループかと思われます。

 

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同社HPより

お馴染みSBI証券・SBIネオモバイル証券との提携も発表

また、2020年4月に三井住友銀行SBI証券との提携も発表されました。アラカンも日々お世話になっているネット専業のSBIネオモバイル証券の20%株式を三井住友フィナンシャル・グループ保有することとなったそうです。相互に商品・サービスを提供しあう考えで、SBIネオモバイル証券の「ネオモバ」を三井住友銀行の顧客に紹介したり、同証券の顧客に三井住友銀行ファイナンス商品を紹介し、若年層を中心に日常生活で発生する借入ニーズに対応したりするということで、ポイントの相互乗り入れも予定されてます。三井住友フィナンシャル・グループは大変アグレッシブな金融グループですね。

 

会社概要(楽天証券より)

三井住友フィナンシャルグループは、銀行業務を中心に、リース業務、証券業務、コンシューマーファイナンス業務、システム開発・情報処理業務等の金融サービスに係る事業を行う。【事業内容】5つの事業セグメントで構成される。ホールセール事業部門は、国内の大企業及び中堅企業の顧客に対し、銀行業、リース業、証券業、並びにベンチャーキャピタル業務及び経営相談業務、会員事業を行う。リテール事業部門は、国内の個人及び中小企業の顧客に対し、銀行業、証券業、クレジットカード業務及び消費者金融業務、並びに確定拠出年金運営管理業務を行う。国際事業部門は、海外の日系・非日系企業等の顧客に対し、銀行業、リース業、証券業、並びにスワップ関連業務を行う。市場事業部門は、銀行業、証券業等の金融マーケットに対応した業務を行う。本社管理事業は、システム開発・情報処理業務、コンサルティング業務、シンクタンク業務、投資運用業務及び投資助言・代理業務等を行う。

 

 

2021年3月期の当期純利益はマイナス43.2%の4000億円を予想

三井住友フィナンシャル・グループの業績ですが、11月13日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。中間期の経常利益は3462億円と前年同期(5583億円)比マイナス38.0%でした。中間純利益は2701億円と前年同期比マイナス37.5%となってます。

やはり新型コロナウイルスの影響が大きかったのだと思われます。また通期の当期純利益予想は4000億円と、前年同期比マイナス43.2%を見込んでいます。

 

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以上、同社HPより


 

会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【連続減益】出足に投信解約益や債券売却益膨らむ。貸出残高は内外とも増。ただ、国内大企業中心に利回り低下。役務もカードや貸出関連が序盤低調。与信費用も新型コロナ影響で増加を見込み、経常益後退。

【提 携】SBIとの提携はSBIネオモバイルの株20%取得し、スマホ証券から開始。5月設立の新会社はセールスフォースと提携し、中堅中小のデジタル化を推進。

 

「減配せず、配当維持もしくは増配」を標榜。190円配当維持へ

三井住友フィナンシャル・グループも高配当銘柄として知られてます。安定配当を方針とする中で、ここは累進的配当を標榜してます。「減配せず、配当維持もしくは増配」ということ、2021年3月度の配当は前期横ばいの年間190円を予想してます。

予想配当金通りだと配当利回りは6%を超えますので、相当な高配当銘柄といえます。累進配当を公表してますので、業績次第ではありますが、今後の増配も期待できますね。

 

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同社HPより

そんな三井住友フィナンシャル・グループを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

三井住友フィナンシャル・グループの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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三井住友FGの営業収益(IR BANKより)

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三井住友FGの経常利益(IR BANKより)

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三井住友FGの当期純利益(IR BANKより)

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三井住友FGのEPS(IR BANKより)

営業収益の2020年3月実績は4兆5918億円(前年マイナス19.94%)、経常利益は9320億円(前年マイナス17.9%)、当期純利益は7038億円(前年マイナス3.14%)でした。

中間期決算での2021年3月期の修正通期見込みは、当期純利益は前年比マイナス43.17%の4000億円を見込んでます。EPSも前期マイナス42.98%の291.87円と大きく下がってしまいました。評価△

 

2、営業キャッシュフロー

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三井住友FGの営業キャッシュフロー(IR BANKより)


営業キャッシュフローはやはり凹凸が激しいですね。営業キャッシュフローが兆の単位というのは銀行業ならではですね。評価〇

 

3、配当性向

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三井住友FGの配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、2020年3月期までは20~30%台でした。ただ、2021年3月期のEPS予想が291.87円ですので、配当予想通りに年間190円配当となれば配当性向65%となります。まだ余裕のあるレベルではありますが、EPSが大きく後退する見込みなので少し不安はあります。評価〇

 

4、ROEとROA

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三井住友FGのROE(IR BANKより)

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三井住友FGのROA(IR BANKより)

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同社HPより


ROEは2021年3月予測値で3.56%(2020年3月実績値6.57%)、ROAは2021年3月予測値で0.18%(2020年3月実績値で0.32%)でした。金融業界は総資産が大きくなりがちです。2020年度は219兆円を超えてます。それでも2013~2014年度は10%を超えるROE値でしたので、基本、稼ぐ力はある企業群だと思われます。

評価△

 

5、PERとPBR

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三井住友FGの株価指標(IR BANKより)


PERは10.78倍、PBR0.38倍と超割安な水準です。コロナ禍で4000円近辺だった株価が3000円を割り込んでから、まだ戻り切れてませんので、割安度が増しているようです。

評価◎

 

6、自己資本比率

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三井住友FGの自己資本比率(IR BANKより)

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同社HPより


自己資本比率は2020年3月実績で4.9%と低数値ですが、ここ数年大きな変化はありません。三菱UFJフィナンシャルグループの評価でも述べましたが、ただ、銀行業にとって重要な資金量は143兆2812億円と潤沢です(会社四季報より)。なお、国際統一基準であるBIS規制上での自己資本比率は16.8で最低基準8%を大きく上回っています。

評価〇

 

7、有利子負債倍率

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三井住友FGの有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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三井住友FGの有利子負債比率(マネックス証券 銘柄スカウターより)

 

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三井住友FGの現金等(IR BANKより)


有利子負債比率300%台ですが、銀行業は融資してナンボの企業体ですので、これは問題ないと考えます。ちなみ現金等が2020年3月期で56兆円あります。評価○

 

8、利益剰余金÷総資産

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三井住友FGの利益剰余金(IR BANKより)

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三井住友FGの総資産(IR BANKより)

利益剰余金を総資産で割った数字は2.88%と低い数字です。ただ利益剰余金は6兆円を超えて積み上がってきてます。これも総資産額が大き過ぎることによる数値ですね。

評価△

 

最後に配当利回り

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三井住友FGの一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、2021年3月期は前年と同じ年間190円配当を見込んでますので、配当利回りは6.04%になります。三井住友フィナンシャル・グループは高配当株ランキングで上位表示されることが多いですが、その通りの超高配当銘柄ですね。

 

財務判断は困難ながらも倒産リスクは低く、「累進配当」は魅力

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づき三井住友フィナンシャル・グループを分析してみました。

三井住友フィナンシャル・グループは、アラカンにとって、株価3900円台の時に、当時割安と思って200株購入し現在に至るまでホールドしている銘柄です。

コロナ禍による株価低迷で含み損が結構ありますが、何といっても高配当銘柄なので、よほどのことがない限り長期ホールドしていこうかと考えてます。

財務的には、メーカー分析で使用している指標が適切に当てはまらないので、評価が難しい企業ですし、2020年度の業績は芳しくないですし、三菱UFJフィナンシャル・グループほどのサプライズ決算数字は、中間決算ではありませんでした。

ただメガバンクは国策企業的なポジションにありますし、積みあがっている資産を見る限りで倒産リスクは限りなく低いと思われます。

また、他のメガバンク・グループと較べると事業ポートフォリオのバランスが良く、M&Aにも積極的でアグレッシブな企業軍団です。

何より「累進配当」を標榜しているので、高配当株投資家としては頼りになる存在です。現在、割安な株価水準にあるので、ポートフォリオの一つに加えて遜色ない銘柄だと思われます。

 

 それでは、また。

 

 

 

 

 

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