創業105年の伝統ある総合化学メーカー
アラカンが保有している銘柄分析の第7回は、デンカ(3135)です。
デンカは元々「電気化学工業」という名で知られた歴史のある総合化学メーカーで、2015年の創立100周年を機に「デンカ」と社名変更してます。
高配当銘柄としてデンカを知ったのは、NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)の構成銘柄を調べた際でした。
化学セクター売上高1兆円超え銘柄(三菱ケミカルH、住友化学、三井化学などの銘柄)と比べ、4000億円台の売上高ながら、財務内容が優れていたので、アラカンの1株定期買い付け銘柄として採用させていただきました。
会社概要 (楽天証券より)デンカグループは、エラストマー・機能樹脂、インフラ・ソーシャルソリューション、電子・先端プロダクツ、生活・環境プロダクツ、ライフイノベーションの製造・販売を主たる業務としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営む。【事業内容】同社は5つの事業を運営する。エラストマー・機能樹脂事業の主要製品は、スチレンモノマー、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、スチレン系特殊透明(SBC)樹脂、耐熱樹脂、N-フェニルマレイミド樹脂、透明樹脂、ポバール、クロロプレンゴム及びアセチレンブラック等である。インフラ・ソーシャルソリューション事業の主要製品は肥料、カーバイド、耐火物、セメント、特殊混和材、ポリエチレン製コルゲート等である。電子・先端プロダクツ事業の主要製品は溶融シリカ、電子回路基板、ファインセラミックス、電子包装材料、接着剤等である。生活・環境プロダクツ事業の主要製品は食品包装材料、住設資材、産業資材等である。ライフイノベーション事業の主要製品はワクチン、関節機能改善剤、診断薬等である。その他事業はプラントエンジニアリング事業、卸売業等を行う。
デンカは特殊合成ゴムや機能樹脂、石化基礎製品などを生産する総合化学メーカーで5つの事業セグメントで売上構成されてます。
エラストマー・機能樹脂セグメントが売上構成の38.5%と最も大きなウエイトを占めてます。
アビガンの原料、簡易検査キットも生産
最近、デンカが話題になったのは、新型コロナウイルスの和製治療薬の一つ「アビガン」の原料である有機化合物「マロン酸ジエチル」の生産を、日本国政府の要請を受けて開始したことと、新型コロナウイルスの簡易検査キット「クイックナビ‐COVID19Ag」の生産を開始したことですね。
化学メーカーは、一般に大衆向け製品を生産していないことが多いので、ともすると地味な存在になりがちですが、コロナ禍の中、デンカはなかなか目立ってきてますね。
そんなデンカを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
デンカの銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、 売上推移とEPS
売上高は2019年3月で過去最高の4000億円超えを達成したのち、ここ2年は3000億円後半台と少し落ちてはきています。営業利益もEPSも似たトレンドです。コロナの影響は免れないですよね。大幅に下落したわけではないので、評価〇
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは、かなり安定しています。評価◎
3、配当性向
配当性向は、30~40%の中に収まっていて、評価◎
4、ROEとROA
ROEは2021年3月予想値が8.38%、ROAは2021年3月予想値が4.17%と、あと一歩の評価〇
5、PERとPBR
PERは11.55倍、PBRは1.05倍で、割安な水準。評価〇
6、自己資本比率
自己資本比率は、50%とターゲットラインの40%を超え、優秀です。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債は低位で横ばいの現状です。有利子負債÷自己資本=60%台なので、返済能力に問題はありません。評価〇
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は31.2%。基準点をクリア。利益剰余金は年々増加していて、評価◎
最後に配当利回りは
配当は、増配基調にあります。2021年度の配当金は現状未発表です。2020年は年間125円の実績で、配当維持されれば、利回りは4.11%と、なかなかの高配当銘柄といえます。評価◎
日経平均高配当株50指数連動型ETFに採用された優良企業
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、デンカを分析してみました。
デンカは、総合化学メーカ―内で規模では22位くらいの中堅企業で地味な存在ではありますが、日経平均高配当株50指数連動型ETFの構成銘柄に採用されているだけある優良企業で、かつ高配当銘柄です。現在、アラカンは1株定期買い付けで2株保有しているだけですが、配当利回りも4%を超えているので、単元株化するのもありかなと思案する銘柄の一つです。
それでは、また。