三菱グループの次男坊。ルーツは坂本龍馬の海援隊から!?
アラカンが保有している銘柄分析の第32回は、三菱商事(8058)です。
- 三菱グループの次男坊。ルーツは坂本龍馬の海援隊から!?
- 7つの事業セグメントに分散も、金属事業の売上比重が高い
- 2021年3月度はコロナ禍の影響を受け大幅減益
- 「累進配当」を堅持して2円増配の134円を見込む
- 三菱商事の銘柄分析をしてみます
- 財務的には厳しい側面もあるが、高配当堅持は魅力あり
三菱商事は5大総合商社の筆頭格の企業として、また三菱グループ御三家の次男坊(長男坊が三菱重工、三男坊が三菱UFJ銀行)として、日本を代表する企業として有名な会社ですね。
日本で初めての株式会社とされる坂本龍馬の「海援隊」が、のちに同郷の岩崎弥太郎に継承され、九十九商会となった企業の流れを汲んでいる歴史の深い会社ですね。九十九商会は後に、三菱商会、三菱蒸汽船会社、三菱社と変遷した後、1918年(大正7年)に総合商社である三菱商事として独立しました。
長らく、貿易仲介を中心とした口銭を稼ぐビジネスが中心でしたが、1970年代より資源開発への直接投資(天然ガスや原料炭)を手掛けるようになり、1980年代には菱食(現:三菱食品)など食料流通などのバリューチェーンの構築を展開、1990年代にはコンビニエンスストアチェーンのローソンを通じた消費者マーケットの開拓など、川上から川下までの領域にわたる投資や経営参画を通じて収益を上げる体質に変化を遂げ、収益拡大を続けています。
7つの事業セグメントに分散も、金属事業の売上比重が高い
総合商社らしく事業領域は幅広く、大きく7つのセグメント構成となってます。
地球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネルギー事業、金属事業、機械事業、化学品事業、生活産業事業の7セグメントで、当期純利益のうち金属事業の比重が大きく約44%を占めています。
会社概要(楽天証券より)
三菱商事グループは国内外のネットワークを通じて、エネルギー、金属、機械、化学品、生活産業関連の多種多様な商品の売買製造、資源開発、インフラ関連事業、金融・物流事業を行うほか、新エネルギー・環境分野等における新しいビジネスモデルと新技術の事業化、全産業を俯瞰する総合力を活かした各種サービスの提供など、広範な分野で多角的に事業を展開する。【事業内容】7の事業セグメントで構成される。地球環境・インフラ事業は電力、水、交通、その他産業基盤となる環境・インフラ分野における事業及び関連する取引などを行う。新産業金融事業は企業投資、リース、不動産・都市開発、物流などの分野において、投資及び運用事業を行う。エネルギー事業は、天然ガス・石油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業、原油・石油製品・炭素製品・液化石油ガス(LPG)等の販売取引、新規エネルギー事業の企画開発などを行う。金属事業は、薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属の分野において、トレーディング、開発、投資などを通じて事業経営に携わる。機械事業は工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの幅広い分野において、販売、金融、物流、投資などを行う。化学品事業は原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料や医農薬などの川下・川中製品まで、幅広い化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行う。生活産業事業は食料、衣料、日用品、ヘルスケアなど、消費者の生活に身近な分野で、原料の調達から、流通・小売に至るまでの幅広い領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行う。
2021年3月度はコロナ禍の影響を受け大幅減益
連結売上で14兆円を超え、時価総額も3兆円を超える大企業ですが、新型コロナウイルスの影響を受け、2021年3月期第1四半期は連結純利益が前年同期より1245億円マイナスの367億円となりました。三菱自動車工業の減損損失取り込みに加え、豪州原料炭事業の市況下落が大きい要素だったとのことで、比重の高い金属事業セグメントの減益が大きかったようです。通期最終見込みは前期より約3000億円の減益を見込み、連結純利益は2000億円を見通しているとのことです。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
【大幅減益】石油は前期の不適切取引による損失剥落。だが、金属は柱の原料炭が市況悪化できつく、チリ・銅事業の一過性利益もなくなる。コロナ影響受け、持分の三菱自動車が損失計上。最終減益。連続増配。
【協業検討】NTTとエネルギー分野での協業で合意、国内外での再エネ発電への共同出資などを検討。当社出資の米国キャメロンLNGが全3系列での生産開始。
「累進配当」を堅持して2円増配の134円を見込む
しかし、三菱商事は「中期経営計画2021」において、減配せずに利益成長に合わせて増配していく「累進配当」の方針継続を公表してまえす。よって2021年3月期の年間配当金は前期2円増配の134円を打ち出してます。これは高配当株投資家からすると大変魅力的ですね。またご存じウォーレン・バフェット氏が、8月30日に5大商社株を時価総額の5%程度取得したとの報道があって、株価は300円ほど上昇しました。バフェット氏は商社株を10%程度まで買う可能性があるとのことですので、これも良い材料ですね。
そんな三菱商事を、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
三菱商事の銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。
1、売上推移とEPS
収益はかなり凸凹があって2020年3月期は14兆7797億円でした。利益は国際会計基準(IFRS)を採用していて2018年~2020年は5000億円台の利益を出してましたが、2021年3月期は前年比62.64%マイナスの2000億円を見込んでます。EPSも利益と似たトレンドで、2021年3月期は61.11%マイナスの135.54円を見込んでます。年間配当金に限りなく近づいてきました。評価△
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです(2020年3月期は8497億円)。ちなみに投資活動が活発なのでフリーキャッシュフローも、2020年3月期で3490億円あります。
評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、ここ2年30%台と余裕があります。「累進配当」継続はここがポイントかもしれません。評価◎
4、ROEとROA
ROEは2021年3月見込みは3.84%。前年は10.24%あったので随分下がってしまいました。ROAの2021年3月見込みは1.12%と低下してます。3000億円の減益では致し方なしでしょうか。評価△
5、PERとPBR
PERは6.89倍、PBRは0.71倍と、割安な水準です。評価◎
6、自己資本比率
自己資本比率は29%とターゲットラインに届かず。評価△
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は1.43倍。かなり積極的に投資活動を行ってますので、有利子負債は相応にあります。評価△
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は25.0%とターゲットラインに届かず。ただし4兆円を超える利益剰余金があるのは心強いですね。評価〇
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2021年3月期は「累進配当」継続で年間134円とすると配当利回りは5.36%と高配当銘柄ですね。これで5年連続増配となります。株主還元の意欲が高い会社ですね。
財務的には厳しい側面もあるが、高配当堅持は魅力あり
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、三菱商事を分析してみました。
こうして各指標をみてみると財務的には必ずしも優秀とはいいかねる数字です。特に売上比重の高い原料素材分野が市況の影響を受け凸凹しがちなので、景気敏感な側面を備えていますね。
ただ、そうはいっても10兆を超える収益があって、コロナの影響が直撃した2021年3月期でも利益が2000億円を示す大企業ですし、事業ポートフォリオも分散されてます。
バフェット氏が評価したことからして、またPBRが低く割安な株価水準でもありますし、何より「累進配当」を標榜している株主還元意識の高さと高利回りからして、高配当株投資のポートフォリオには加えるべき銘柄だと感じてます。
当面はSBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄として一株づつ買いためていくつもりですが、タイミングをみて単元化することもありかなと考えてます。
それでは、また。