人口増加中の沖縄でシェア5割強の超優良企業
アラカンが保有している銘柄分析の第27回は、沖縄セルラー電話(9436)です。
- 人口増加中の沖縄でシェア5割強の超優良企業
- 離島の多い沖縄エリアで人口カバー率99%超
- コロナ禍でも増収増益、連続19年増配予定
- 売上、財務ともに非の打ちどころない現況
- 沖縄セルラー電話の銘柄分析をしてみます
- 年間154円とKDDIより高い配当。株主優待制度もある
- NTTのように親子上場廃止ってありえる?
KDDI傘下の総合通信会社。沖縄県では携帯シェア5割と圧倒的で、固定通信と併せて顧客開拓中です。全国にあったDDIセルラーグループが何度かの再編を経て現在のKDDIに統合された中、唯一、沖縄県だけが地域企業として残りました。同社は沖縄県内だけで、au携帯電話を繋げる為の基地局を約700局設置し、沖縄本島を含む46の有人島において4G LTE 800MHzプラチナバンドで実人口カバー率・99%超というサービスエリアを提供しています
離島の多い沖縄エリアで人口カバー率99%超
現在、KDDIが同社株式の51.5%を保有してますが、他のキャリアが沖縄県を九州会社のエリアとしていたのに対し、同社は地元に特化した経営を行っていて、沖縄地域の財界・有力企業が出資し、同県の経済振興を第一義として設立されたという経緯や、1997年4月15日に店頭公開(現ジャスダック上場)していることから、他の地域会社のように吸収合併を行わなかったようです。
会社概要(楽天証券より)
沖縄セルラー電話グループは、主にモバイルサービスや、国内・国際通信サービス、インターネットサービス等を提供する電気通信事業を行う。【事業内容】専用サービス、インターネットサービス、au携帯電話サービス、au携帯電話端末販売、国内・国際通信サービス、通信設備の賃借・保守、業務委託回線の提供を行う。また、農産物生産・販売事業、観光事業を行う。
コロナ禍でも増収増益、連続19年増配予定
そんな沖縄セルラー電話ですが、KDDIブランドの地域会社が現存していることをアラカンは正直知りませんでした。ただご存知リベラルアーツ大学・両学長の高配当株投資銘柄として紹介されていただけでなく、多くの株チューバ―さん達の安定高配当銘柄として、度々紹介されている会社でしたので、注目してみました。現在、親会社KDDIは、いわゆる“菅ショック”で株価は3300円台から2700円台まで大きく下落したままの状態ですが、沖縄セルラー電話は4200円台から4000円台と、それほどの下げ基調ではありません。沖縄県に事業特化し、シェアも圧倒的である点等だけでなく、20201年3月期予測値で、コロナ禍ながらも、営業収益、営業利益とも過去最高更新していることが企業価値を高め、株価の底堅さに繋がっているのかもしれません。
「会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。
解説記事【連続最高益】新型コロナや改正法影響で端末販売減。ただ、主力の通信はauや光回線契約数底堅い。好調なUQモバイルが大きく貢献。電力小売りも順調。会社計画はau契約純増数をやや慎重視。増配続く。
売上、財務ともに非の打ちどころない現況
そんな沖縄セルラー電話は、上記したように、おなじみリベラルアーツ大学・両学長のポートフォリオ銘柄の一つとして取り上げられていたことから、リサーチしてみました。後述しますが、売上、財務ともに文句なしの会社で、本来なら単元株保有したいところではありますが、株価が高止まり中ですので、SBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄としておりました、
↓↓両学長が初めて上梓した一冊。投資指南以上に支出を減らす項目が秀逸です。
そんな沖縄セルラー電話を、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。
沖縄セルラー電話の銘柄分析をしてみます
まずは、私・アラカンの「高配当銘柄ポリシー」から
(このあたりの考え方は公認会計士・足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)
1、売上推移とEPS
営業収益、営業利益ともは2021年3月期は前年より微増ですが、増益見込みです。営業収益2.86%、営業利益は0.241%プラス見込んでいます。業績はキレイな右肩上がりの会社です。新規事業に積極的に投資してますので、その影響もあるかと思われます。営業利益率は20%と大変高い水準です。EPSも順調に伸びています。評価◎
2、営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。評価◎
3、配当性向
配当性向実績は、30~40%の間にあります。評価◎
4、ROEとROA
ROEは2021年3月予測値が11.42%、ROAは2021年3月予測値が9.48%とターゲットライン超え。評価◎
5、PERとPBR
PERは11.23倍、PBRは1.28倍と、PBRはターゲットに届かず。評価〇
6、自己資本比率
自己資本比率は81.9%とターゲットライン大幅超え。評価◎
7、有利子負債倍率
有利子負債倍率は0倍。無借金経営です。評価◎
8、利益剰余金÷総資産
利益剰余金を総資産で割った数字は超絶の79.2%。評価◎
最後に配当利回りは
配当は上記したように、2021年3月に年間154円の配当を予定してます。配当利回りは3.78%を示しています。高配当銘柄ですね。なんと19年連続配当です。株価が高止まりしているので、配当利回りはKDDI(4.45%ほど)の方が高いですが、年間配当は120円の予定ですので、配当だけなら沖縄セルラー電話の方が多い見込みです。(KDDIも十分に高配当銘柄ですが)。高配当株投資家としては垂涎の銘柄ですね。
年間154円とKDDIより高い配当。株主優待制度もある
さて、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」に基づき、沖縄セルラー電話を分析してみました。
正直、利益、財務ともに非の打ちどころがない超優良企業です。評価〇はPBRが1.28倍と1倍を超えている点だけで、株価が4000円台と高止まりしているので、単元化するには少し敷居が高いという点だけが難点といえば難点でしょうか。
おまけに株主優待制度もあります。「au PAY マーケット商品カタログギフト」より100株で3000円相当の商品がもらえます。KDDIが運営する「au PAY マーケット(au Wowma!)」からか、もしくは「沖縄CLIP マルシェ」より「全国47都道府県のグルメ品」カタログギフトからのチョイスになります。KDDI分とは別に権利保有していても良いかもしれません。
NTTのように親子上場廃止ってありえる?
アラカンとしては、大変魅力に満ちた銘柄ですが、“菅ショック”で大きく下落したわけではなく、高止まりしたままなので、なかなか単元化するのは難しいところではあります。当面は、SBIネオモバイル証券で1株定期買い付け銘柄の一つとし、コツコツ単元化を目指していくつもりですが、株主優待権利確定までに相応の株価下落等があったら、思い切り回にいきたい銘柄です。
なお、懸念点というわけではありませんが、NTTがNTTドコモを完全子会社化して親子上場を解消することとなりました。KDDIも沖縄セルラーを完全子会社化する可能もありえますね。どちらの陣営も子会社の方が、株価、配当ともに高いという共通点もあります。もしTOBということになるのであれば、早めに単元化したほうが良いのかもしれませんが…。
それでは、また。