高配当株投資で豊かな老後生活を

目標!月10万円の配当収入。不労所得でバラ色のリタイアを目指すアラカンの日記

ドコモから最後の配当金が振り込まれました

9月末権利確定銘柄では一早く到着した中間配当金です

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NTTのTOBが成立したNTTドコモから、最後の配当金と、「ドコモ通信」最終号が届きました。

ラカンは2008年10月に200株購入後ずっとホールドしてましたが、TOBの対応はかなり面倒くさそうでしたので、3800円台で市場売却してました。既に手元にない銘柄から配当が届く(それも最終)のは、何だか不思議な気分です。

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ラカンは、ちなみにドコモ株を売却した利益でNTT株を少しだけ買い増ししました。

後は、じっくり考えていきたいと思ってます。

ドコモの2020年度上期は減収増益でした

最後となった「ドコモ通信」の主要ページを参考までに貼り付けてみますね。営業収益は前年同期2.0%減でしたが、営業利益が前年4.3%増とのこと、営業利益率は24.6%と相変わらずの高収益でした。

今後はドコモの利益はNTTに乗っかってくるのですね・・・。退任される吉沢社長の表情が寂しそうで、切ないですね。

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ドコモさん、こちらこそ大変お世話になりました。

NTTさん、改めてよろしくお願いいたします。

 

それでは、また。

 

 

 

 

 

超高配当銘柄だが財務は??  ソフトバンク(保有銘柄分析44)

ソフトバンクGがボーダフォン日本を買収して2006年に誕生

ラカン保有している銘柄分析の第44回は、ソフトバンク9434)です。

 

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ソフトバンク株式会社(SoftBank Corp.)は、ソフトバンクグループ株式会社傘下の会社で、日本で携帯電話などの無線通信サービス(移動体通信事業者)および長距離、国際通信を提供する日本の大手電気通信事業者です。201571日にソフトバンクモバイル株式会社から商号変更してます。

 

20063月、BBモバイルによる携帯電話事業参入を計画していたソフトバンクグループが、英ボーダフォンからボーダフォン株式会社の株式と資産・負債を日本企業として最高額となる17500億円で買収し、同年101日をもってボーダフォン日本法人はソフトバンクモバイル日本テレコムソフトバンクテレコムへ社名を変更しました。

 

201541日付で、ソフトバンクモバイルソフトバンクBBソフトバンクテレコム、ワイモバイルを吸収合併。これに伴い、完全親会社のBBモバイルの出資が75.81%となり、ソフトバンク本体が24.18%(グループ合算で99.99%)、その他0.01%の出資構成となった。また、BBおよびワイモバイル(旧・イー・アクセス)のADSL事業、テレコムの長距離・国際事業といった固定系通信事業も手掛けることになりました。

 

傘下にヤフー、LINEモバイル。現在は一般株主が40%弱に

その後、201812月に東証一部に上場しました。現在では連結子会社にヤフーを運営するZホールディングス(ASKUL、ZOZOも傘下にいます)や、PayPay、LINEモバイルに、私アラカンも口座を保有しているOne Tap BUY等の企業があります。

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同社HPより

筆頭株主ソフトバンクグループジャパンで、約62%の株式を保有してましたが、20209月にPOで10億株を売り出し40.2%、一般株主が59.8%という株主構成になりました。

 

 

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同社HPより

収益源の多様化を推し進めていて、非通信領域の強化を進めています。2019年度の売上高のうちモバイル通信料は29%と2017年度の38%から低下してきています。新型コロナウィルスの影響を受けた2020年度上半期実績でも、モバイル通信を中心としたコンシューマ事業は減収でしたが、ヤフー事業(15%増)、法人事業(7%増)が増収し、前年同期を超えてきてます。

 

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同社HPより

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以上、同社HPより

会社概要(楽天証券より)

ソフトバンクグループは、主にコンシューマ事業、法人事業及び流通事業を行う。【事業内容】3つの事業セグメントで構成される。コンシューマ事業は、個人顧客を対象に、移動通信サービス及びブロードバンドサービスの提供を行う。移動通信サービスについては、「SoftBank」、「Y!mobile」及び「LINEモバイル」ブランドの移動通信サービスの提供、並びに携帯・タブレット等のモバイル端末の販売を行う。ブロードバンドサービスについては、「SoftBank 光」を始めとするインターネットサービスの提供及び関連する宅内機器の販売・レンタルを行う。法人事業は、法人顧客を対象に、移動通信サービス、音声・固定電話サービス、データ伝送・専用サービス、通信事業者及び一般事業者向けの電気通信コンサルティング・工事、電気通信設備の賃貸・保守、ハウジング、データセンター事業、通信機器の販売・レンタル等の事業を行う。流通事業は、主に法人顧客向けの情報通信技術(ICT)、クラウド、モノのインターネット(IoT)ソリューション等に対応したハードウエア、ソフトウエア、サービス等の商材、個人顧客向けのモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等の商材を提供する。また、決済代行サービス、スマートフォン専業証券事業、パブリッククラウドサービスの設計・開発事業、オンラインビジネスのソリューション及びサービスの提供、デジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作等も行う。

 20213月度は売上、営業利益、当期純利益とも増収増益の見込み

ソフトバンクの業績ですが、20213月期第2四半期の決算短信によると、売上高は前年同期比プラス2.3%、営業利益はプラス6.8%、四半期包括利益はプラス1.9%とコロナ禍にいおいても順調な伸びを示してます。通期業績予想では売上高は前期0.8%プラスの4兆9000万円、営業利益は前期0.9%プラスの9200億円、当期純利益は前期2.5%プラスの4850億円を見込んでいます。増収・増益に向けて順調に進捗しているようです。

 

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以上、同社HPより

 

会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【着実増】期初営業自粛で端末販売減るも販促費抑制で補う。通信は料金値下げ影響を契約数増でこなし堅調。テレワーク追い風で法人伸長。ヤフーEC好調、ZOZOフル寄与。営業益着実増。ペイペイ持分損減。

【売却一段落】親会社SBGが当社株21%を売却へ、親子関係は維持。今後の追加売却はしない意向。ZHD・LINE経営統合21年3月に延期、今期業績影響は軽微。

 「毎年減配ナシ。総還元性向85%程度」年間配当は1円増の86円予想

ソフトバンクの株主還元方針は「毎年減配ナシ。総還元性向85%程度」を宣言してます。宣言通りに2020年度の年間配当は前年1円増の86円を予想してます。現在、菅総理誕生により携帯会社銘柄は株価が下落し、PO実施も相まって下落を続け、ソフトバンク株は他社と比べても戻りきれていない状況ではあります。

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同社HPより

ラカン2018年の上場時にIPOで200株購入しました。個人投資家の比率が高いこともあるのでしょうか? 公募価格近くになると売りがでるのでしょうね。なかなか公募価格を超えることができません。買い時については後悔しきりではありますが、長期保有インカムゲイン銘柄としては安定高配当継続中ですので、ホールド一本です。

 

そんなソフトバンクを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

ソフトバンクの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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ソフトバンクの営業収益&営業利益(IR BANKより)

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ソフトバンク当期純利益(IR BANKより)

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ソフトバンク包括利益IFRS) (IR BANKより)

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ソフトバンクのEPS(IR BANKより)

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ソフトバンクの営業利益率 (IRBABKより)

営業収益の20213月予想値は前年度プラス0.80%の49000億円、営業利益はプラス0.91%の9200億円です。

当期純利益予想値はプラス2.51%の4850億円を見込んでます。包括利益IFRS)はプラス2.87%の4682億円です。EPSも似たような数値で、前年度プラス2.67%の101.92円を見込んでます。菅総理に叩かれた営業利益率も0.03%増の18.78%見込みと稼ぐ力がある企業です。評価◎

 

2、営業キャッシュフロー

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ソフトバンクの営業キャッシュフロー(IR BANKより)


上場直後の
20183月度はマイナスでしたが、20192020年度はプラスです。

評価○

 

3、配当性向

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ソフトバンクの配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、もの凄く凹凸がありますが、社の方針として総還元性向を85%と設定している(ちなみに2020年度の総還元性向は98.54%でした)ので、これはこれで良いのですが、客観判断としては、評価△

 

4、ROEとROA

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ソフトバンクのROE(IR BANKより)

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ソフトバンクのROA(IR BANKより)

ROEは20213月予測値が43.05%と物凄く高いです。ROA20213月予測値は4.62%と基準値に少し届かずという水準です。やはり稼ぐ力はありますね。

評価○

 

5、PERとPBR

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ソフトバンクの株価指標 (IR BANKより)

(PERは12.55倍、PBRは5.4倍とPERはターゲットライン内です。PBR値と較べて現状の株価はかなり割安な水準ともいえます。評価○

6、自己資本比率

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ソフトバンク自己資本比率(IR BANKより)

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ソフトバンク自己資本比率マネックス証券 銘柄スカウターより)

自己資本比率20203月実績で10.2%と基準値を大きく下回っています。積極的な投資やMAを推進するにあたって借り入れが大きくなってきていることが原因でしょうか。

2019年と2020年の貸借対照表を比べてみても、流動負債、固定負債ともに相当に大きくなっていることが分かります。ちなみに流動比率74.82%と芳しくない数字です。

評価△

 

7、有利子負債倍率

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ソフトバンクの有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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ソフトバンクの有利子負債倍率等(株探 より)

有利子負債倍率は負債が増えてますので、高い倍率です。5%を超えてますので、この数字を見るだけでは健全な指標とはいえません。評価×

 

8、利益剰余金÷資産

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ソフトバンクの利益剰余金(IR BANKより)

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ソフトバンクの資産(IR BANKより)

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ソフトバンクの現金等(IR BANKより)

利益剰余金を資産で割った数字は10%とターゲットラインを下回っています。この数値も芳しくないですね。ただ、利益剰余金は1兆円を超えてますし、現金等も1兆円を超えてますので、営業利益率やROEの高さからして稼ぐ力はあるので、そんなに心配する必要はないのかもしれません。評価△

 

最後に配当利回り

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ソフトバンクの一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、前年1円増配の年間86円を予想してます。現在の株価で割った配当利回りは6.72%です。かなりの高配当銘柄ですね。

 

財務的には??がつくものの、稼ぐ力はバッチリ!!

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づきソフトバンクを分析してみました。

正直、財務的には???という評価をしなければいけない銘柄ですが、売上、利益ともにコロナ禍でも前年プラスで、利益率も高い会社なので、少々、荒っぽい指標とはなりますが、企業風土ともいえるのでしょうか。株価も割安水準ですし、配当妙味もありますし、十分に投資対象といえる銘柄だと思われます。

通信事業者といいながら、ヤフー事業や法人事業でしっかり稼いでいる実情が分かりました。また、決済サービス「PayPay」事業が、今後の同社の成長の大きなドライバーになっていくのだと感じてます。

ラカンとしては、IPOで購入した200株が、公募価格を突き抜けていく日が来ることを祈りながらも、高配当株銘柄として含み損には目をつぶり長期ホールドしていくつもりでいます。

 

 それでは、また。

 

 

 

 

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連続増配更新中の高配当銘柄  リコーリース(保有銘柄分析43)

中小企業を主な顧客として「少額」契約をコツコツ積み上げてきてます

 

ラカン保有している銘柄分析の第43回は、リコーリース(2923)です。

 

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リコーリース株式会社は、リコー製品の販売支援会社として1976年に設立され、リコーの光学、OA製品のリース、ビジネスローン、集金代行サービスなど各種金融サービス事業を提供するフィナンシャルサービス企業です。事業基盤は中小企業向けの小口リース・割賦事業で、リコーグループ唯一の国内金融子会社として、資金面・人的面でもリコーグループとの密接なつながりがあります。

 

 

20194月に改訂された、経営理念によると

経営理念

私達らしい金融サービスで豊かな未来への架け橋となります。

 

基本姿勢

誠実な事業活動を通じて持続可能な地球社会の発展に貢献します。

想定を超えるサービスでお客さまと未来・社会をつなぎます。

一人ひとりが尊重しあい楽しくいきいきと働ける環境をつくります。

企業価値の増大により株主の期待に応えます。

 

主な事業であるリース・割賦事業については、同社HPにて、以下の説明がされてます。

 

当社グループでは、お客様の設備投資に関連するリース・レンタル・割賦・クレジット等の商品・サービスを「リース・割賦事業」と定義しています。主力の事務用・情報関連機器、医療機器の他新たな分野である環境関連など重点分野を定めて、分野ごとの営業戦略を展開しています。重点化することで、物件特性や業界動向に精通し、お客様のニーズに合ったサービスの提供が可能となります。これにより、効率的な営業と収益基盤の拡充を図ると同時に、物件価値の見極めや業界特有の事業性見通しによる信用リスク回避等につなげています。

また、もう1つの大きな特徴は、中小企業を主な顧客層とする40万社の顧客に、平均契約単価が210万円と「少額」な契約を行なっていることです。販売会社・販売店に高付加価値のサービスを提供する「販売支援リース」と効率化された「業務処理の仕組み」が当社グループ最大の強みとなっています。その結果、当社グループの主要なお客様である中堅・中小企業の信用リスクを小口分散化させ、優良な営業資産を形成しています。このリスク分散が図られた高い収益性が評価され、高格付を維持し、安価で安定した資金調達を実現しています。

当社グループでは、「販売支援リース」「重点特化戦略」「小口分散による優良な資産」「高格付」を重要な鍵として経営資源を有効に活用し、収益力の強化に努めています。

(同社HPより)

 

同業企業「みずほリース」と業務提携を発表

同じリース会社でも、例えば航空機リース等の大型案件を手掛けているオリックスや三菱UFJリースと比べると、中小企業を中心とした小口案件をコツコツと積み上げてきているリース会社ですね。リコーグループ企業のネットワークを生かして、中小企業へのコピー機案件等から食い込んできたのでしょうね。現在では900億円を超える時価総額の企業に成長してます。

リース会社にとって重要な格付けについては、直近の格付けとして国内格付け機関の評価はAクラス以上、世界的な格付け期間スタンダード・プアーズからもBBB+の評価を得てます。

 

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同社HPより

 

なお、同業企業であるみずほリースが、2020年3月にリコーリースの株20%を保有し持ち分法適用会社としました。同業界での業務提携ですね。

 

みずほリース、リコーリースに出資 リコーから約2割を取得

日本経済新聞 2020年3月9日記事より

みずほリースは9日、リコーリースに約20%を出資し、持ち分法適用会社にすると発表した。4月下旬にも親会社のリコーから約368億円でリコーリース株を取得する。リコーリースも、みずほリース株の3%程度を市場などで取得する予定。3社で業務提携し、顧客基盤の拡大につなげる。

リコーリースが強みを持つ中小企業向けサービスの審査ノウハウを活用し、モノを共有するシェアリングエコノミー関連などの展開を目指す。リコーリースはリコーの連結子会社から、リコーとみずほリースそれぞれの持ち分法適用会社に変わる。

 

 

リース業界の売上ランキングでは第10位

リース業界の売上高ランキング(2018-2019年)では、オリックスが断然トップで、みずほリースは9位、リコーリースは10番目の売上規模になります。この時点のランキングで4位の三菱UFJリースと6位の日立キャピタル経営統合することが発表されてますので、リコーリースも、もしかして…と考えたりします。

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SEARCH.COM HPより

 

会社概要(楽天証券より)

リコーリースグループは、リースならびにリース関連のファイナンスサービスを提供する。【事業内容2つの事業セグメントを通じて事業を展開する。リース・割賦セグメントは、事務用・情報関連機器、医療機器、産業工作機械・計測器等のファイナンス・リース、オペレーティング・リース、割賦・クレジット(賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却等を含む)を行う。金融サービスセグメントは、法人向け融資・業界特化型融資・住宅ローン・マンションローン等の貸付、請求書発行・売掛金回収等の代行サービス、介護報酬ファクタリングサービス、及び住宅賃貸事業等を行う。その他は、計測・校正・機器点検等の受託技術サービス及びリコーグループ内での融資、ファクタリング、国内キャッシュ・マネジメント・システムの運営等を行う。

 

20213月度は売上、営業利益、当期純利益とも微減の見込み

リコーリースの業績ですが、20213月期第2四半期の決算短信によると、売上高は前年同期比プラス4.7%、営業利益はマイナス1.4%、四半期純利益はマイナス3.0%でした。通期業績予想では、売上高がマイナス0.6%の3304億円、営業利益はマイナス1.9%の167億円、当期純利益はマイナス4.5%の113億円を見込んでいます。

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以上、同社HPより


新型コロナウイルスの影響は相応に受けていて減収を見込んでいますが、第
2Q 以降は、少しずつ業績も戻ってきているようです。減収幅も低位で着手しそうです。

 通期業績は売上高がマイナス10.3%の5500億円、営業利益はマイナス15.4%の290億円ですが、当期純利益は13.4%プラスの240億円を見込んでいます

 

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以上、同社HPより

 

会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【減 額】太陽光発電や住宅賃貸が成長。だが、コロナ禍でリース新規取り扱い減、大口含め想定超える貸倒引当発生。陣容拡充や教育、IT経費増は維持。前号より営業減益幅拡大。配当性向引き上げ連続増配。

【ESG】エネルギー、ヘルスケア、AIなど環境、社会分野に貢献するスタートアップ対象に投資枠200億円設定。生産性向上へ電子契約化やテレワーク等IT投資。

 

安定配当の継続を表明。21年連続増配の年間95円を予想

リコーリースは売上高も3000億円ほどで、リース業界10位クラスの企業ですが、高配当銘柄として知られていて、かつ連続増配企業としても知られています。中長期的に安定した株主還元を基本方針としており、20013月期から連続増配を更新中です。20213月度の配当は前年から5円増配の年間95円を予想してます。これで21年連続増配となります。高配当株投資家としては、実に魅力のある企業ですね。

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ダイヤモンドZai HPより

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リコーリース HPより

そんなリコーリースを、アラカンの「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

リコーリースの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

1、売上推移とEPS

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リコーリースの売上高と営業利益(IR BANKより)

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リコーリースの当期純利益(IR BANKより)

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リコーリースのEPS(IR BANKより)



売上高の
20213月予想値は前年度マイナス0.56%の3304億円、営業利益はマイナス1.87%の167億円です。

当期純利益予想値は上記したように前年度マイナス4.46%の113億円を見込んでます。EPSも似たような数値で、前年度マイナス4.23%の366.59円を見込んでます。コロナ禍ということを鑑みれば、前年マイナスですが、軽微なレベルだと思われます。

評価〇

 

2、営業キャッシュフロー

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リコーリースの営業キャッシュフロー(IR BANKより)

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リコーリースの財務キャッシュフロー(IRBANKより)


営業キャッシュフローは基本マイナス続きです。それだけみるとリコーリース大丈夫?と勘ぐってしまいますが、同業の三菱
UFJリース、東京センチュリー、みずほッリースといった企業も営業キャッシュフローは軒並みマイナスです。これはリース業の特性によるところが大きく、営業貸付残高が増えていれば、貸付金が増えていくのでキャッシュフローはマイナスになりますね。一方で財務キャッシュフローは貸付残高増減の裏返しなので、貸付残高が増えていれば資金調達も多くなりプラスになります。貸付金あってこその金融業なので、この数値で問題ないと考えます。

評価〇

3、配当性向

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リコーリースの配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、長らく1020%です。20213月度の配当性向見込みは、配当金95円に対してEPS予想値が366.5円ですので25.9%になります。まだまだ余裕ありますので、連続増配更新も期待できます。評価〇

4、ROEとROA

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リコーリースのROE(IR BANKより)

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リコーリースのROA(IR BANKより)


ROEは
20213月予測値が6.06%、ROA20213月予測値は1%と、いずれも基準値に届きません。オリックスの分析の際にも申し上げましたが、金融業は総資産が大きくなります。リコーリースも売上は3000億円台ですが、総資産は1兆円を超えてます。分母が大きくなってしまうので、特に総資産利益率(ROA)が低くなるのは致し方ないところではあります。評価△

 

5、PERとPBR

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リコーリースの株価指標(IR BANKより)


PERは
7.79倍、PBRは0.49倍と割安な水準ですね。評価◎

6、自己資本比率

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リコーリースの自己資本比率(IR BANKより)

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リコーリースの貸借対照表マネックス証券 銘柄スカウターより)

自己資本比率20203月実績で15.8%と基準値を大きく下回っています。ただし、これも巨大な総資産により分母が大きくなっている事情もあります。格付け評価は上記した通りです。評価〇

 

7、有利子負債倍率

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リコーリースの有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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リコーリースの有利子負債倍率等(IR BANKより)


有利子負債倍率は貸付を増やすために有利子負債を増やす必要から
4.54倍と高い水準になりあります。ただ流動比率343.49%もあるので、短期的な支払いに苦労する水準でなないと考えます。評価△

 

8、利益剰余金÷総資産

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リコーリースの利益剰余金(IR BANKより)

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リコーリースの総資産(IR BANKより)


利益剰余金を総資産で割った数字は
14.3%とターゲットラインを下回っています。総資産の分母が大きいことが起因してますね。利益剰余金は順調に積み上がっています。

評価

最後に配当利回り

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リコーリースの一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、前年5円増配の年間95円を予想してます。現在の株価で割った配当利回りは3.18%です。なかなかの高配当銘柄の水準にはあると思います。

 

リース会社分析は難しいですね。株主優待サービスもあります

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づきリコーリースを分析してみました。

正直、リース会社は顧客に製品を貸し付けてナンボの業種ですので、メーカーやサービス業で分析した指標そのままでは全く当てはまらなくなってしまいます。

そこで、格付けや各指標の変化率、同業他社との比較で判断するしかないのですが、リコーリースは業界10位ということで、目を見張る数字ではないものの、大きくショートしそうな案件(航空機リース等)は取り組まず、コツコツと中小企業案件を積み上げてきているので、事業に安定感がありますし、コロナ禍でも小幅な減益に留まってます。

ただ、業界再編の動きもあるので、みずほリースとの業務提携は注視していく必要がありそうですね。

高配当株投資家としては、何といっても21年連続増配中というのは魅力的です。

また、株主優待制度もありますので、長期投資に向いた銘柄かなと感じてます。

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同社HPより

 

ラカンとしては、当面はSBIネオモバイル証券定期買い付け銘柄として一株づつ買いためていくつもりですが、タイミングをみて単元化することもありかなと考えてます。

 

 それでは、また。

 

 

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三菱グループの知られざる高配当銘柄  三菱瓦斯化学(保有銘柄分析42)

 

社名に「瓦斯」がついてますが、化学セクターの企業です

ラカン保有している銘柄分析の第42回は、三菱瓦斯化学(4182)です。

 

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三菱ガス化学株式会社は三菱グループの一員として、基礎化学品からファインケミカル、機能材料に至る、幅広い領域に事業を展開しています。

なお、ホームページ等での社名表示は三菱ガス化学ですが、登記上の称号は三菱瓦斯化学株式会社ですので、株式銘柄としての社名表記は三菱瓦斯化学となってます。

社名に「ガス」表記がありますが、東京ガスのようなガス販売をしている電気・ガス業セクターの企業ではなく、天然ガス系の化学品事業を軸とした化学セクターの企業です。

 

藤井社長のHP冒頭あいさつから

 

「化学にもとづく幅広い価値の創造を通じて、社会の発展と調和に貢献する」という存在理念のもと、「独自技術に立脚した特色と存在感のある優良化学会社」として、常に新しい技術と価値の創造に挑み続け、社会とともに成長してまいりました。

(中略)

三菱ガス化学グループはグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、経済的価値のみならず、社会的価値もある共通価値を創造し、持続的な成長の実現を目指していきます。

(以上、同社HPより)

 

 

日本海天然ガスで最大級の海洋油ガス田を開発

 

三菱瓦斯化学は「基礎化学品事業部門」「機能化学品事業部門」の二つの事業部門の下、メタノールやキシレン過酸化水素といった基礎化学品から、高機能エンジニアリングプラスチック、発泡プラスチック、半導体パッケージ材料といった機能製品、抗体医薬・発酵食品などのライフサイエンス製品を生産していて、日本海天然ガスの自社鉱区(新潟県・岩船沖油ガス田)を所有しているほか、サウジアラビアベネズエラなど海外で、メタノールを合弁方式によって生産しています。

 

また、鉄が錆びるときに酸素を吸収する原理を応用した脱酸素剤『エージレス®』を世界に先駆けて商品化したことでも知られています。これは食品の鮮度保持などに広く用いられていますので、一般にも身近な製品ですね。

 

ポリカーボネートDVDの材料)では世界トップシェア

エンジニアリングプラスチックでは、5大汎用エンプラのうち4種を自社開発技術で製造しています。DVDやCD等の材料となるポリカーボネートでは世界トップシェア、自動車のギアやカムなどの材料となるポリアセタール、家電やOA機器の主要パーツとなるポリフェニレンエーテルといった製品です。

 

2020年3月期の連結売上構成比は、過酸化水素ポリカーボネートなど機能化学品が32.4%、メタキシリレンジアミン誘導体など芳香族化学品が32.3%、メタノールMMAなど天然ガス系化学品が26.3%、プリント基板用材料や脱酸素剤『エージレス®』など特殊機能材が8.8%となっています。

 

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三菱瓦斯化学のセグメント業績(マネックス証券 銘柄スカウターより)

 

会社概要(楽天証券より)

三菱瓦斯化学グループは、化学会社である。【事業内容】同社は5つの事業により構成される。天然ガス系化学品事業は、メタノールアンモニア、アミン系製品、メタクリル酸系製品、多価アルコール類、酵素補酵素類、原油等の製造・販売を行う。芳香族化学品事業は、キシレン異性体及びその誘導品等の製造・販売を行う。機能化学品事業は、過酸化水素等工業用無機薬品類、電子工業用薬品類、エンジニアリングプラスチックス等の製造・販売を行う。特殊機能材事業は、プリント配線板用材料、プリント配線板、脱酸素剤 エージレス等の製造・販売を行う。その他の事業は、他の上場関連会社、不動産事業等を含む。

 

 

 

20213月度は売上減益も、当期純利益は前年プラスを見込む

三菱瓦斯化学の業績ですが、11月2日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。売上高が前期マイナス12.1%、営業利益がマイナス10.4%でしたが、経常利益はプラス41.5%、四半期純利益も75.0%のプラスでした。

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以上、同社HPより



これはサウジアラビア合弁事業での一過性費用(70億円)剥落等による持分法損益が改善したことに加え、販管費や税金費用の減少に起因してそうです。

通期業績は売上高がマイナス10.3%の5500億円、営業利益はマイナス15.4%の290億円ですが、当期純利益は13.4%プラスの240億円を見込んでいます。

 

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以上、同社HPより

 

会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【減益幅縮小】光学樹脂ポリマーや半導体向け堅調。が、発泡プラスチックや合成樹脂が自動車や住宅向け後退。MMA系も後半の市況回復が想定より鈍い。ただ修繕費下振れ等で営業減益幅縮小。持分益は低調。

【中国市場】半導体向け超純過酸化水素は継続的な需要拡大見込み中国への進出を本格検討。従来の主要事業4カンパニーを2部門へ統合し事業間シナジーの創出推進。

 

 

安定配当の継続を表明。年間配当横ばい70円を堅持の方向

三菱瓦斯化学は、三菱グループの中では目立たない地味な印象の企業ですが、コロナの影響を受けながらも、当期純利益は前年度プラス予想を見込む等、なかなか手堅い企業だと思われます。

株主還元も安定配当の継続を基本としています。内部留保と株主還元の水準を勘案して、自己株買いも機動的に実施していくことを表明してます。2021年3月の配当は、前年横ばいの年間70円を予想してます。

当社は、株主の皆様の利益を重要な経営方針の一つとして位置付けており、持続的な成長の実現に向け、引き続き企業体質の改善に取り組み、企業価値の向上に努めています。

配当金については、普通株式については連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に配当を行うよう努めていきます

(同社HPより)

 

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同社HPより

 

 

そんな三菱瓦斯化学を、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

三菱瓦斯化学の銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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三菱瓦斯化学の売上高&営業利益(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学当期純利益(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学のEPS(IR BANKより)

売上高の2021年3月予想値は前年度マイナス10.33%の5500億円、営業利益はマイナス15.35%の280億円です。

当期純利益予想値は上記したように前年度プラス13.43%の240億円を見込んでます。EPSも2020年3月度に前年マイナス60.96%の100.5円でしたが、2021年度3月予想値は115.38円とプラス14.81%を見込んでいます。評価〇

 2、営業キャッシュフロー

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三菱瓦斯化学の営業キャッシュフロー(IR BANKより)

営業キャッシュフローは凸凹がありますが、一貫してプラス続きで、評価◎

 

3、配当性向

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三菱瓦斯化学の配当性向(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学の配当性向予測用データ(株探 より)


配当性向実績は、ながらく10~20%でしたが、2020年3月期に70.24%と大幅上昇してしまいました。2021年3月期予想値は60.5%ですので改善されつつあります。

評価〇

4、ROEとROA

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三菱瓦斯化学のROE(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学のROA(IR BANKより)

ROEは2021年3月予測値が4.79%、ROAの2021年3月予測値は3.07%と、いずれも基準値に届かず(ROAは前年より改善してますが…)。評価△

 

5、PERとPBR

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三菱瓦斯化学の株価指標(IR BANKより)

PERは15.77倍、PBRは0.75倍と割安な水準ですね。評価◎

 

6、自己資本比率

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三菱瓦斯化学自己資本比率(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学貸借対照表マネックス証券 銘柄スカウターより)


自己資本比率は2020年3月実績で63.8%と基準値を大きく上回っています。

評価◎

 

7、有利子負債倍率

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三菱瓦斯化学の有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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三菱瓦斯化学の有利子負債倍率等(株探 より)


有利子負債倍率は0.19倍と大変低い水準です。評価◎

8、利益剰余金÷総資産

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三菱瓦斯化学の利益剰余金(IR BANKより)

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三菱瓦斯化学の総資産(IR BANKより)


利益剰余金を総資産で割った数字は56.9%とターゲットラインを超えてます。利益剰余金も少しずつ積み上っています。ちなみに流動比率も219.27%と余裕があります。

評価◎

 

最後に配当利回り

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三菱瓦斯化学の一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、前年横ばいの年間70円を予想してます。現在の株価で割った配当利回りは3.85%です。なかなかの高配当銘柄ですね。

 

財務ピカピカ。配当利回り3%後半、PBR割安圏内入り

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づき三菱瓦斯化学を分析してみました。

株チューバ―さんが動画内で取り上げていたことをきっかけに、銘柄研究をしてみたところ、非常に地味な企業ではありますが、財務はピカピカで、業績もコロナ禍で最終利益は前年プラス見込みという手堅さでがぜん注目した銘柄です。

現在、PBRが1倍を切り、RSIも短期が33%、長期が19%という割安圏でしたので、高配当銘柄として購入してみました。

(当初はポーラ・オルビスを検討していたのですが、減配してしまったので、方向転換しました)

 

 

 それでは、また。

 

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時価総額断トツ。日本を代表する企業  トヨタ自動車(保有銘柄分析41)

TOPIX Core30の構成銘柄の一つ。22兆円を超える時価総額

ラカン保有している銘柄分析の第41回は、トヨタ自動車7203)です。

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トヨタ自動車株式会社は、説明不要な日本を代表する大手自動車メーカーですね。通称「トヨタ」、英語表記「TOYOTA」、トヨタグループ内では「TMC」と略称されているそうです。

豊田自動織機を源流とするトヨタグループの中核企業で、ダイハツ工業日野自動車の親会社、SUBARU筆頭株主でもあります。

トヨタグループ全体の2018年の世界販売台数は約1,059万台で3位、トヨタブランド単独では約886万台で世界第1位です。

また、日本企業の時価総額ランキングのうち、トヨタ自動車時価総額229029億円と、第2位のソフトバンクグループ14477億円を8兆円も上回る、ぶっちぎりのトップ企業です。TOPIX Core30の構成銘柄の一つですので、日本の株指数の帰趨を左右する大企業ですね。

 

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トヨタ自動車のセグメント業績(マネックス証券 銘柄スカウターより)

 

ラカンはリーマン後に安値で購入。現在も株価バク進中

ラカンは、すでに売却したドコモと同タイミングの2008年9月に3900円台で100株購入してます。その後の株価上昇を鑑みると、良い時期に購入できたお宝株といえます。

配当も、ここ6年ほど年間200円以上を出していますので、大変有難い存在です。直近では、米大統領選の終結に続き、ファイザー製薬がコロナワクチン開発成功もあって、日経平均は暴騰中で、トヨタ株も年初高値8026円(202026日)を目指し7400円台まで上昇してきました!

 

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トヨタ自動車、直近の株価推移(IR BANKより)

 

会社概要(楽天証券より)

トヨタ自動車グループは自動車事業を中心に、金融事業及びその他の事業を行う。【事業内容】自動車事業は、セダン、ミニバン、2ボックス(BOX)、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品、用品の設計、製造及び販売を行う。金融事業は、主として同社及び同社の関係会社が製造する自動車と他の製品の販売を補完するための金融並びに車両のリース事業を行う。その他の事業は、住宅の設計、製造及び販売、情報通信事業等を行う。同社は子会社を通じて、北米と欧州の研究開発及び製造販売会社の統括、並びに渉外、広報、調査活動を行う。

 

 

20213月度当期純利益を上方修正。第1四半期予想より6900億円上昇の1兆4200億円に

トヨタ自動車の業績ですが、11月6日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。営業収益が前期マイナス25.9%、営業利益がマイナス62.8%ときて、四半期純利益はマイナス46.7%の6318億円でした。通期の当期純利益はマイナス30.3%の1兆4200億円を見込んでいます。(前期は2兆361億円でした)

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トヨタ自動車2021年3月期 第2四半期決算短信(同社HPより)

1四半期決算短信での、当期純利益の通期見通しは7300億円でしたので、だいぶ改善されましたね。6900億円も当期純利益見通し額が増加したことになります。

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以上、同社HPより以上



中でも大きかったのが、中国事業の伸長ですね。
2019年4~9月期の営業利益782億円かから、コロナ禍にもかかわらず、202049月期の営業利益が342億円増えて1124億円となりました。中国マーケットの回復は物凄い勢いのようです。

 

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以上、同社HPより

 

会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【大幅減益】IFRS移行。コロナ響くが中国好調で世界販売910万台(13%減)に上方修正。上期は減産で固定費負担重い。円高逆風に開発費も重く利益急落。ただ会社計画は経費節減や新型車効果を慎重視。

【回 復】7月世界販売は前年同月比9割に回復。20年中国販売は前年比8%増計画。マツダとのアラバマ合弁工場に8・3億ドル追加投資、生産車種変更や最新設備に充当。

 

 

中間配当は横ばいプラス特別配当の105円を発表。期末はいかに?

トヨタ自動車2015年度から年間配当金を200円以上出している高配当銘柄です。第1四半期決算短信では2021年度の配当予想を未定としていたので、心配をしていましたが、第2四半期では、サプライズっぽい業績を発表したと同時に、未定としていた配当のうち、中間配当についての発表がありました。前年中間配当100円に対して、普通配当100円プラス特別配当5円の計105円に(´▽`) ホッとしました。前年横ばいなので、期末も前年同額以上を期待したいところです。

 

 

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同社HPより

トヨタ自動車の配当方針ですが、

 

当社は、株主の皆様の利益を重要な経営方針の一つとして位置付けており、持続的な成長の実現に向け、引き続き企業体質の改善に取り組み、企業価値の向上に努めています。

配当金については、普通株式については連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に配当を行うよう努めていきます

(同社HPより)

 

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以上、同社HPより

後述いたしますが、配当性向は近2年連続して30%台前半ですので、有言実行の企業ですね。コロナ禍でも、安定した配当を出していただきたいものです。

 

そんなトヨタ自動車を、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

トヨタ自動車の銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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トヨタ自動車の売上高と営業利益(IR BANKより)

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トヨタ自動車当期純利益(IR BANKより)

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トヨタ自動車のEPS(IR BANKより)


売上高の
20213月予想値は前年度マイナス12.95%の26兆円、営業利益はマイナス46.78%の1300億円です。当期純利益予想値は上記したように14200億円(当初予想は7300億円)、EPS507.88円(当初予想261.09円)です。評価△

 

2、営業キャッシュフロー

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トヨタ自動車の営業キャッシュフロー(IR BANKより)

営業キャッシュフロー20203月は前年より減りましたが、23984億円もあります。一貫してプラス続きで、評価◎

3、配当性向

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トヨタ自動車の配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、20203月期は30.94%でした。おおむね2030%台です。

評価〇

 

4、ROEとROA

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トヨタ自動車のROE(IR BANKより)

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トヨタ自動車のROA(IR BANKより)


ROEは
20203月実績値で9.88%(20213月予測値は6.76%)、ROAは20203月実績値で3.77%(20213月予測値は2.51%)でした。ROEは前年度は10%近くあったのですが、今期予想値は6%台です。いずれも基準値に届かず。評価△

 

5、PERとPBR

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トヨタ自動車の株価指標(IR BANKより)


PERは
10.05倍、PBR0.97倍と割安な水準ですね。評価◎

6、自己資本比率

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トヨタ自動車自己資本比率(IR BANKより)

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トヨタ自動車貸借対照表マネックス証券 銘柄スカウターより)

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トヨタ自動車の現金等(IR BANKより)


自己資本比率
20203月実績で38.2%と基準値には、わずかに届かない状況です。ただ、現金等は4兆円を超えておりますので、支払い余力は十分あると思われます。

評価〇

 

7、有利子負債倍率 

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トヨタ自動車の有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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トヨタ自動車の有利子負債倍率等(株探 より)


有利子負債倍率は、設備投資等が大きいことに起因していると思われますが、
1.12倍と1倍を超えてます。ただ上記したように現金等が4兆円を超えてますので、支払い余力は大きな問題はないかと思われます。評価〇

8、利益剰余金÷総資産

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トヨタ自動車の利益剰余金(IR BANKより)

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トヨタ自動車の総資産(IR BANKより)


利益剰余金を総資産で割った数字は
41.1%とターゲットラインを超えてます。利益剰余金が22兆円を超えてます。さすが、時価総額ナンバーワン企業です。評価◎

 

最後に配当利回り

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トヨタ自動車の一株配当(IR BANKより)


配当は上記したように、
20213月度は中間配当のみ確定してます。普通配当は100円と前年横ばいですので、期末配当も同額の120円と仮定すると年間220円で、配当利回り3.01%とギリギリ高配当銘柄といえますね。

 

 

ROE、営業利益率は案外ですが、底力は抜群

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づきトヨタ自動車を分析してみました。

時価総額日本一の企業らしく、売上、営業利益、総資産、利益剰余金、現金等といった指標は軒並み兆円単位という壮大なものとなります。

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トヨタ自動車の営業利益率(IR BANKより)

2021年3月はコロナ禍で、売上や利益等の指標はダウンしてしまいましたが、期中に上方修正してくるあたりは流石!トップ企業ですね。営業利益率やROEが、さほど高くない点は気がかりですが、財務的には優秀です。底力のある企業だということを再認識しました。

 

ラカン個人としては、かなり割安に購入できているので、長期ホールド前提で、ただただ減配しないことを祈るばかりですが、株価も相応に高いので、今から割り増し購入等はしないつもりです。

 

 それでは、また。

 

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高配当で株主優待でも人気な銘柄  オリックス(保有銘柄分析40)

日本のリース業の先駆け。現在は、多角経営で総合商社に似てきました

ラカン保有している銘柄分析の第40回は、オリックス(8591)です。

 

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大阪市に本社を置く、大手総合リース企業で、高配当かつ充実の株主優待個人投資家に人気の銘柄ですね。祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、ベンチャーキャピタルプロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けていて、グループを通して多角的金融サービス業を提供しています。日本のリース業界では、最大手になります。3万人を超える従業員が働き、グループ会社は1,000以上、そして世界37か国、200以上の営業拠点を有している日本屈指の大企業です。

 

その歴史は、1964年4月に日本でのリース産業の将来性に着目した日綿実業(当時)と三和銀行(現 三菱UFJ銀行)が、日商、岩井産業(当時、のちに3社とも合併して現 双日)の2商社と、東洋信託銀行(現 三菱UFJ信託銀行)、日本勧業銀行(現 みずほ銀行)、神戸銀行(現 三井住友銀行)、日本興業銀行(現 みずほ銀行)の4銀行の参加を得て、3商社、5銀行により、オリエント・リース株式会社(現 オリックス株式会社)を設立されたことに始まります。

これだけ多くの企業の出資から誕生した企業も珍しいと思います。創業時は資本金1億円、社員13人からスタートしたそうです。

 

馴染みが薄い業界ですが、プロ野球球団経営で一躍知名度アップ

 

そして1970年代からは、海外進出やリース以外の事業にも幅を広げていったのです。さらに1980年代は更なる多角化を進め、プロ野球球団を買収するに至りました。

その後も多角化は進み、保険ビジネスや投資銀行そして不動産業界にも進出します。

2010年代に入りリーマンショックを黒字で乗り切った後も、事業のリスク分散を目指して、太陽光発電事業や水族館そして空港の運営事業に進出して現在に至っています。

 

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同社HPより

オリックスは現在、リース業を主体とするものの総合的な事業を保有した業態となっていて、外からは何が本業なのか見えづらい企業ともいえます。業態としては、日本では総合商社に近い形かなと考えられます。

 

 

会社概要(楽天証券より)

オリックスは、同社、連結子会社850社(変動持分事業体およびSPE(特定の案件のために設立された事業体)などを含む)及び関連会社170社から構成され、多様な事業を展開する。【事業内容】同社は6つの事業セグメントで構成される。法人金融サービス事業部門は、主に融資事業、リース事業、金融商品販売などの手数料ビジネスを行う。メンテナンスリース事業部門は、自動車リース事業、レンタカー事業、カーシェアリング事業、測定機器・情報関連機器等のレンタル事業およびリース事業に従事する。不動産事業部門は、不動産開発・賃貸・ファイナンス事業、施設運営事業、不動産投資法人(REIT)の資産運用・管理事業、不動産投資顧問業を行う。事業投資事業部門は、サービサー(債権回収)事業、プリンシパル・インベストメント事業、環境エネルギー関連事業により構成される。リテール事業部門は、生命保険事業、銀行事業、カードローン事業に従事する。海外事業部門は、リース事業、融資事業、債券投資事業、投資銀行事業、船舶・航空機関連事業を行う。

 

 

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以上、同社HPより

リース会社業は要約すると「設備や機器を代わりに買ってあげる」仕事

 

リース業って、一般的には身近ではなく、どんなビジネスなのか分かりづらいですね。

リースというビジネス手法は、古くからあったようですが、日本では、1960年代にビジネスの手法として入ってきたようですね。オリックスは1964年の創業なので、比較的早い時期からリース事業を始めていたといえるのです。

 

リース会社とは、一言でいうと「設備や機器を代わりに買ってあげる」仕事ですね。

リース業は、様々な企業や自治体といった組織を相手に商売をします。新規ビジネスや事業を始めるにあたって、事業主は様々な設備や機器が必要になりますが、全てを一括購入するにはリスクが高くなりがちです。そこで、リース会社は「私達が機器を購入して、御社にその機器をお貸しします。」と営業するのです。企業や組織は賃貸料(リース料)を支払えば、設備や機器をすぐに導入することができますし、不要になれば、リース会社に返却することもできます。この仕組みは、ビジネスをする上での様々なリスクを大幅に軽減させることができるゆえ、リース業が国内外に広まっていきた歴史があるようです。

 

20213月度の当期純利益は前年比マイナス37.2%の1900億円を見込む

オリックスの業績ですが、11月2日に、2021年3月期第2四半期の決算が発表されました。営業収益が前期マイナス4.5%、営業利益がマイナス25.9%ときて、四半期純利益はマイナス41%の938億円でした。通期の当期純利益はマイナス37.2%の1900億円を見込んでいます。(前期は3027億円でした)

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オリックスの2021年3月期 第2四半期の決算短信(同社HPより)

オリックスは事業セグメントを海外事業を含め10に分類してます。第2四半期の利益では不動産と米国事業の減益が大きかったようです。新型コロナウィルスの影響が直撃するセグメントではあります。一方、環境エネルギーと保険、銀行・クレジット等の金融部門は前年同期比プラスでした。

 

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以上、同社HPより


会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【営業減益】ホテル・旅館に新型コロナ痛撃。航空機リース、レンタカーも厳しい。国内再エネや生保・銀行健闘するも営業減益。持分の関西エアポート苦戦が第2四半期から顕在化。今期のみ配当性向50%。

【大阪IR】新型コロナ受け、府・市により最終決定は当面延期、当初24年計画した開業時期は27~28年にずれ込む。太陽光発電M&A含め収益性高い海外案件意欲。

 

配当は現状維持を発表。自社株買い発表はサプライズ

オリックスは高配当銘柄として知られてますので、決算発表と同時にコロナ禍の影響で減配等があるのかどうかが注目されていましたが、2021年度の配当は前年同額の年間76円(中間35円、期末41円)で据え置くことが発表されました。グッドニュースですね。

 

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同社HPより

オリックスの配当方針ですが、

 

当社は、事業活動で得られた利益を主に内部留保として確保し、事業基盤の強化や成長のための投資に活用することにより株主価値の増大に努めてまいります。同時に、業績を反映した安定的かつ継続的な配当を実施いたします。

また、自己株式取得についても、必要な内部留保の水準を考慮しつつ、経営環境の変化、株価の動向および財務状況等を勘案のうえ、弾力的・機動的に対処してまいります。(同社HPより)

 

 方針通りではありますが、サプライズとして自社株買いも発表されました。最大5000万株、総額上限442億円の規模という事で、発行済み株式総数の約4%の割合です。これによってEPSが上昇し、現在市場に出回っている株の価値が上がって株価は上昇しますね。

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以上、同社HPより


株主を大切にするオリックスの姿勢が方針に留まらず、実行に現れました。高配当および株主優待目当てで保有している個人株主には嬉しい報せです。

 

 

そんなオリックスを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

オリックスの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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オリックスの売上高&営業利益(IRBANKより)

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オリックスの営業利益率(IR BANKより)

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オリックス当期純利益(IR BANKより)

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オリックスのEPS(IR BANKより)


売上高の2020年3月実績は2兆2803円、営業利益は2969億円で営業利益率は11.8%と、高い利益率を出してます。当期純利益は3027億円、EPSは237.38円です。2019年3月期までは一貫して上昇基調でした。2020年3月期は当期純利益は前年度マイナス6.5%でした。そして2021年3月期は前述したようにコロナ禍で大幅ダウン見込みです。予測が出ているのは当期純利益のみで1900億円ですね。前年マイナス37.2%です。評価△

 

2、営業キャッシュフロー

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オリックスの営業キャッシュフロー(IR BANKより)

営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。ただし、2020年3月期は、1兆円を超えていました。評価◎

 

3、配当性向

 

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オリックスの配当性向(IR BANKより)


配当性向実績は、2020年3月期は34.3%でしたが、その前3年間は20%台でした。2021年3月期は配当性向がUPするでしょうね。評価〇

 

4、ROEとROA

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オリックスのROE(IR BANKより)

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オリックスのROA(IR BANKより)


ROEは2020年3月実績値で10.11%(2021年3月予測値は6.38%)、ROAは2020年3月実績値で2.32%(2021年3月予測値は1.44%)でした。金融業界は総資産が大きくなりがちです。2020年度は13兆円を超えてます。また、オリックスの場合、単なる金融業に留まらず総合商社的な企業でもありますが、この業界も総資産が大きくなりがちですね。

評価△

 

5、PERとPBR

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オリックスの株価指標(IR BANKより)

PERは8.78倍、PBRは0.56倍と割安な水準ですね。評価◎

 

6、自己資本比率

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オリックス自己資本比率(IR BANKより)

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オリックス貸借対照表マネックス証券 銘柄スカウターより)

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同社HPより

自己資本比率は2020年3月実績で22.93%と低数字です。ただ、これには理由がありまして、リース会社は、物件購入のために金融機関から融資を受けることが多いです。これはリースで得られる利回りより、銀行からの融資に対する利息の方が低いからです。そのためバランスシートでは、借入金が多く計上されます。したがって、多くのリース会社の自己資本比率は50%を超えていないことが多いのですね。実際、オリックスは20%台で安定してますし、参考までに格付機関の評価をみても、主要4社の格付は異なりますが、すべてAランクに入ってます。評価〇

 

7、有利子負債倍率

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オリックスの有利子負債推移(マネックス証券 銘柄スカウターより)

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オリックスの有利子負債倍率等(株探 より)

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オリックスの現金等(IR BANKより)

有利子負債倍率は上記にも記したように融資が多いので1倍を超えてしまいますね。ちなみに現金等は1兆円を超えてますので、支払い余力は大きな問題はないかと思われます。評価△

 

8、利益剰余金÷総資産

 

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以上、オリックス連結貸借対照表(同社HPより)

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オリックスの総資産(IRBANKより)※利益剰余金の推移表はナシ



利益剰余金を総資産で割った数字ですが、2020年3月の利益剰余金は2兆7544億円に対し、同期の総資産は13兆675億円でしたので、21%とターゲットラインには届きません。

リース業の性格上、内部留保が大きく積みあがっていくものでもないのかと思います。投資も活発な会社ですし、この辺りは総合商社に近いと思われます。ちなみに同業のリコーリースの同期の同指標が14%なので、リース業としては高めの数字かと思われます。評価△

 

最後に配当利回り

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オリックスの一株配当(IRBANKより)

配当は上記したように、2021年3月度は前年と同じ年間76円配当を公表してますので、を見込んでますので、配当利回りは5.63%です。高配当銘柄ですね。

 

前年同額の年間76円の配当。配当利回りは5%超え

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づきオリックスを分析してみました。

オリックスは高配当かつ株主優待でも有名な企業で、個人投資家に人気の高い銘柄ですね。

コロナ禍で業績や配当予想などが長らく未発表だったので、減配の可能性も低め株価は低迷気味でした。アラカンは、そんな中、権利確定前に1250円で100株購入しました。

配当維持と自社株買いの発表があって、現在株価は1350円近くまで上昇しました。このまま安定運行をお願いしたいところです。

業績は発表通りの厳しい状況ですが、手堅いセグメントもあって、総合商社のようです。なかなか外からではわかりずらい会社ではありますね。財務もピカピカとは言いがたいのですが、金融業として、メーカーやサービス業の企業分析と同様では測りがたいところもあります。

 

さて、個人投資家に人気の株主優待については、何の言及もなかったので、これまで通りの継続でしょう。

 

具体的には

 

(1)ふるさと優待(3月のみ)

(2)株主カード

(100株以上)

※(1)全国各地の取引先企業が製造・販売する特製の食品・飲料などが掲載されたカタログから1品を選択

※(2)プロ野球観戦やレンタカー、ホテル・旅館、水族館など、オリックスグループが展開する各種サービスを割引価格で提供

 

※(1)3年以上継続保有(3月末日の株主名簿に同一株主番号で連続して記載)の100株以上保有の株主には、さらに充実した内容のカタログギフトを進呈

 

といった内容になります。

ラカンオリックスの株主になって日が浅いので、株主優待は気長に待っていようと思ってます。

基本、余程のことがない限り、長期ホールドの予定です。

 

 

 それでは、また。

 

 

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高配当で希少な上場生保会社  第一生命ホールディングスグループ(保有銘柄分析39)  

 

 

120年近い歴史を誇り、大手生保では数少ない株式会社の一つ

ラカン保有している銘柄分析の第39回は、第一生命ホールディングスグループ(8750)です。

 

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第一生命ホールディングス株式会社は、2016年(平成28年)10月1日に持株会社体制へ移行し、第一生命保険株式会社から商号変更しました。総資産で、株式会社かんぽ生命保険日本郵政グループ)、日本生命保険相互会社に次ぐ業界3位の企業です。

 

その歴史は古く、1902年(明治35年)、日本初の相互会社形式による生命保険会社として設立してます。日本国内で初の相互会社であるという意味を込めて、社名に「第一」という文字を戴いたそうです。

 

生命保険会社は、日本生命を筆頭に、この相互会社形式の組織形態が多いのですが、第一生命は2010年(平成22年)4月1日、株式会社に組織変更したうえ、東証1部に上場してます。株式会社への転換にあたって、保険契約者は保険金支払実績に応じて、株式受取りか相当分の現金支給かを選択する措置を講じました。

 

ラカンも保険加入者なので、株式会社展開時に現金支給が

実はアラカンも第一生命の終身保険に少額ですが入っていたので、現金支給でいくばくかの金額をいただいた記憶があります

株式会社への転換にあたって多くの保険契約者が当社株式を受け取ったため、その時点では株主数は日本最大でした。およそ1年後の2011年(平成23年)3月29日付けで、日経平均株価の構成銘柄に採用されています。

 

 

生保会社は、そもそも株式会社が非常に少なく、上場している会社も第一生命ホールディングス株式会社以外では、ライフネット生命保険株式会社(7157)、株式会社かんぽ生命保険(7181)、株式会社T&Dホールディングス(8795)の3社しかありません

  

上場株式会社として、機動的に他社との提携やM&Aも可能ですので、株式会社みずほフィナンシャルグループと全面的に業務提携しているほか、2000年(平成12年)8月に安田火災海上保険株式会社、同年9月にアメリカンファミリー、2007年7月に株式会社りそなホールディングスと業務提携してます。さらに、金融機関代理店向け商品の提供を目的に、業界ではじめて生保子会社・第一フロンティア生命株式会社を設立してます。

 

 

 

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同社HPより

 

会社概要(楽天証券より)

第一生命ホールディングスは、主に保険事業を行う。【事業内容】3つの事業セグメントで構成される。国内生命保険事業は、国内において、個人保険、個人年金保険、団体保険、団体年金保険及びその他の生命保険事業、損害保険事業、並びに有価証券の取得、不動産の取得及び金銭債権の取得等の生命保険業に付随する業務を行う。海外保険事業は、海外において、保険事業を行う。その他事業は、主に資産運用関連事業を行う。

 

 

20213月度の当期純利益は前年比プラス467.8%見込みだが…

第一生命ホールディングスの業績ですが、コロナ禍での業績ダウンもさることながら、2019年度、20年度ともに当期純利益は前年マイナスでした。経常収益も横ばい安定といった具合です。肝心の2021年度第1四半期の決算は、経常収益が前年同期比マイナス2.1%の1兆7912億円、四半期純利益はマイナス21.1%の408億円でした。

ただ通期予想では経常収益マイナス8.8%の6兆4870億円、当期純利益はプラス467.3%の1840億円と悪くない決算数字を見込んでいます。前年度に一過性の損失計上をしたことによる上昇のようです。

 

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以上、2021年3月期 第1四半期の決算短信(同社HPより)


会社四季報」直近号の解説記事を紹介いたします。

【最終増益】保険料等収入は海外横ばいだが、国内が新型コロナでの営業自粛痛打で落ち込む。運用環境悪化で利息配当収入も減る。海外子会社でコロナでの保険金支払額増。ただ、国内で第一フロンティア生命の前期一過性の損失が消え、純益は大幅増。

【ESG投資】独企業発行の世界初の廃プラスチック削減債購入(約74億円)。AIが保障プラン提示するシステムで特許出願。

 

 

安定的な配当方針を表明。ソルベンシー・マージン比率は900%超え

第一生命ホールディングスは、株主還元の方針を安定的な配当を基本としていて、グループ修正利益に対する総還元性向を40%を目処にすることを公表してます。配当は中間配当を行わず、期末配当の年1回ですが、2021年度の配当は2020年度と同額の年間62円を予定してます。

 

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以上、同社HPより

 

なお、第一生命ホールディングスも傘下の生損保業の事業健全性を示す指標としてソルベンシー・マージン(Solvency Margin)比率があります。これは、予測を大幅に超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」のことで、ここでいうリスクとは、大災害の発生で保険金支払いが急増したり、株価暴落・為替相場の激変などのことを指します。

 

例えば、ソルベンシー・マージン比率が500%であれば、「全契約者すべての支払い保険金の5倍の資金が準備されている」ということになります。ソルべンシー・マージン比率が200%未満100%以上になると、金融庁から行政指導が入ります。200%を超えていれば安全だといわれています。

 

第一生命ホールディングスの2021年度第1四半期の連結ソルベンシー・マージン比率は951.9%と健全なレベルにあります。前期の比率が984.4%だったので、若干のマイナスではあります。

 

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同社HPより

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以上、同社HPより



また、生保業界はセグメント構成の中に「その他」で示されている資産運用関連事業も

重要な事業の一つです2020年3月度の実績では売上構成比は2.4%にすぎないのですが、

利益構成比は32%と相当の比重になります。

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第一生命ホールディングスのセグメント業績(マネックス証券銘柄スカウターより)

第一生命保険は2020年度内に外国株式での運用を環境と社会貢献、企業統治(ガバナンス)を重視するESG投資に全面的に切り替えるというニュースが話題を呼びました。

約4千億円の運用の基準にESGに着目した株式指数を採用し、指数の採用銘柄に投資していくとのことです。

 

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同社HPより

 

そんな第一生命ホールディングスを、アラカン「高配当銘柄ポリシー」基づいて各指標をみていきたいと思います。

 

第一生命ホールディングスの銘柄分析をしてみます

まずは、私・アラカン「高配当銘柄ポリシー」から

 

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(このあたりの考え方は公認会計士足立武志さんが記した著書『ファンダメンタル投資の教科書』を参考にしてます。よろしかったら、ご一読ください。)

銘柄ポリシーに沿って、各項目をみてみます。

 

1、売上推移とEPS

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第一生命ホールディングスの経常収益(IRBANKより)

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第一生命ホールディングスの経常利益(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの当期純利益(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスのEPS(IR BANKより)



経常収益は2021年3月期の予測値は6兆4870億円と、前年比マイナス8.81%を見込んでいます。一方、経常利益は前年プラス63.93%の3580億円、当期純利益は前年467.32%プラスの1840億円を見込んでます。当期純利益は前年度が第一フロンティア生命の特損処理で前前年比マイナス85.59%ダウンだったので、その影響が大きいかと思われます。EPSも2020年3月度28.53円から470%プラスの162.9円を見込んでいます。評価〇

 

2、営業キャッシュフロー

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第一生命ホールディングスの営業キャッシュフロー(IR BANKより)


営業キャッシュフローは一貫してプラス続きです。ただし、2020年3月期は、上記の事情で半減してはいます。評価〇

 

3、配当性向

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第一生命ホールディングスの配当性向(IR BANKより)

配当性向実績は、2020年3月期は204.86%と異常値を示しましたが、その前は10~20%

前後でした。2021年3月期の配当性向がどのくらいになるか関心大です。出来れば40%

前後もアベレージしてくれると嬉しいところです。評価△

 

4、ROEとROA

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第一生命ホールディングスのROE(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスのROA(IR BANKより)


ROEは2021年3月予想値で4.58%、ROAは2021年3月予想値で0.3%.。保険業界は

総資産が大きくなりがちです。2020年度は60兆119億円と凄まじい数字となってます。

ただ、ROEもROAも2020年3月期よりは上昇している点は評価できます。

評価△

5、PERとPBR

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第一生命ホールディングスの株価指標(IR BANKより)


PERは9.5倍、PBRは0.43倍と割安な水準ですね。評価◎

 

6、自己資本比率

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第一生命ホールディングスの自己資本比率(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの貸借対照表マネックス証券銘柄スカウターより))

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第一生命ホールディングスの貸借対照表詳細(同社 HPより)



自己資本比率は2020年3月実績で6.3%と低数字です。ただ、ここ10年間ずっと一桁台

ですし、60兆円を超える大きな資産(保険加入者の前払い保険料が中心)があるので、

自社で自由に使える自己資本が小さくなるのは致し方ないと思われます。

会社の安全度を図る指標としては責任準備金を総資産で割った指標の方が適切かもしれません。ちなみに2020年3月の責任準備金等は30兆2962億円でしたので、総資産で割った数字は50.4%です。

評価〇

 

7、有利子負債倍率

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第一生命ホールディングスの有利子負債推移(マネックス証券銘柄スカウターより)

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第一生命ホールディングスの有利子負債推移倍率等(株探 より)


有利子負債倍率は0.28倍問題のない水準ですね。評価◎

8、利益剰余金÷総資産

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第一生命ホールディングスの総資産(IR BANKより)

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第一生命ホールディングスの利益剰余金(IR BANKより)

利益剰余金を総資産で割った数字は18.2%と低い数字です。ただ利益剰余金は1兆円を超えて積み上がってきてます。総資産額が大き過ぎることによる数値ですね。

評価△

 

最後に配当利回り

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第一生命ホールディングスの一株配当(IR BANKより)

配当は上記したように、2021年3月度は前年と同じ年間62円配当を見込んでますので、配当利回りは4.01%です。高配当銘柄ですね。

前年同額の年間62円の配当。配当利回りは4%超え

さて、アラカン「高配当銘柄ポリシー」に基づき第一生命ホールディングスを分析してみました。

第一生命ホールディングスは、個人的に馴染みの深い会社であると同時に、数少ない生保会社の上場企業ということで、セクター分散の意味からSBIネオモバイル証券定期買い付け銘柄として、ポートフォリオに組み込みました。

保険業界は、先に保険加入者から前払いで保険料を徴収しますので、総資産が莫大な数字になってしまいます。

よって、財務評価も、メーカーやサービス業のそれとは視点が異なってしまうのは致し方ないかと思われます。

業績も新型コロナの影響を受けて、保険料収入はパッとしないようですが、2021年度の当期純利益は前年度より大幅増になる見込みではあります。

保険会社の安全度を図るソルベンシー・マージン比率も、問題のない数値ですし、同業他社で比較に値する上場企業も少ないのですし、配当利回りも4%を超えていますので、ポートフォリオ分散という意味で組み込んで良い銘柄かなと考えてます。

 

 

ラカンとしては、現在はSBIネオモバイル証券の定期買い付け銘柄として一株づつ買いためているところですが、高配当銘柄ですので、株価の状況をみて単元化することもありかなと考えてます。

 

それでは、また。

 

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